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こんにちは、めしラボです。
燻製には大きく3種類(熱燻法、温燻法、冷燻法)があります。「熱燻法→温燻法→冷燻法」の順に燻煙時間が長くなっていくことからも、手軽に作ることのできない温燻法(または冷燻法)で作られた燻製は長く楽しみたいものです。
そこで今回は「燻製はどのくらい日持ちするのか?」を説明していきます。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 自宅で燻煙した食材はどのくらい日持ちするのか?
- 燻煙法の違いにより保存期間はどのくらい違うのか?
- 燻製(スモーク)はなぜ日持ちするようになるのか?
燻製は日持ちのする調理方法です。
一般的な燻製は塩漬けと塩抜きをしてから燻煙されますし乾燥により水分量も少なくなっています。また燻煙に含まれている成分(カルボニル化合物、フェノール類、有機酸類など)には殺菌作用や抗菌化作用がありますので日持ちをするようになります。
しかし一般家庭で作られている美味しさを重視した燻製には保存食と言えるほどの保存性は望めませんので注意が必要です。
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燻製が日持ちする理由は?
食材は燻製にすることで日持ちをするようになります。
日持ちをするのにはいくつかの理由があります。一般的な燻製(温燻法など)は「下処理→塩漬け→塩抜き→乾燥→燻煙→熟成」という工程を経て燻製になりますが、「塩漬け」「乾燥」「燻煙(加熱)」などの工程には食材の保存性を高める効果があります。
具体的には以下のような効果です。
塩漬け | 浸透圧の作用により殺菌される |
---|---|
乾燥 | 活動が制限されて繁殖しにくくなる |
燻煙 | 燻煙により殺菌される |
これらの作用により燻製は日持ちをします。
しかし賞味期限や消費期限は燻製方法(熱燻法、温燻法、冷燻法など)や保存方法などにより変化しますので明確な答えはありません。一般的に「熱燻法は1~2日ほど」「温燻法は7~10日ほど」とはいわれていますが最終的な判断は自己責任の範疇になります。
いずれにしても早めに食べきることをおすすめします。
塩漬けで日持ちする仕組みは?
燻製は塩漬けと塩抜きをしてから燻煙します。
食材は塩漬け(燻製の場合はふり塩法やソミュール法など)をすることにより日持ちをするようになります。これは食塩による浸透圧の関係で腐敗の原因となる細菌の細胞内から水分が絞り出されて脱水状態になるためです。
これにより減菌されて日持ちをするようになります。
またソミュール液(10~15%の食塩水)にお酒を加えたピックル液やピックル液にハーブなどを加えたブレンドピックル液などには「アルコール(エタノール)による殺菌作用」や「ハーブによる抗菌作用」なども加わることにより防腐作用は高まります。
燻製の塩漬けと塩抜きは意味のある工程です。
乾燥で日持ちする仕組みは?
燻製は乾燥させてから燻します。
乾燥させることにより「酸っぱくなりにくい」「日持ちするようになる」などのメリットが得られるためです。食材が腐敗するのは細菌の繁殖によるものですが、細菌には「水分が減少するにしたがって生育が阻害される」という特徴があります。
そのため乾燥により自由水を減らすことがポイントになります。
食材に含まれる水分には自由水(分子が自由に動き回ることのできる水分)と結合水(他の成分と水素結合で結びついて分子の運動が制限されている水分)がありますが、食材を乾燥させることにより自由水を減らすことができます。
ジャーキーが日持ちするのは乾燥と塩分によるものです。
燻煙で日持ちする仕組みは?
燻煙には殺菌効果や抗酸化作用があります。
燻製の煙(燻煙)には様々な成分が含まれています。その中には保存性の向上に寄与するものも少なくありません。たとえばカルボニル化合物には殺菌作用がありますし、フェノール類には殺菌作用と抗酸化作用があります。酸味の原因となる有機酸類にも殺菌作用があります。
これらの成分によって燻製は日持ちするようになります。
カルボニル化合物 | 殺菌作用 |
---|---|
フェノール類 | 殺菌作用、抗酸化作用 |
有機酸類 | 殺菌作用 |
また燻製では熱が加わります。
熱燻法では80~140℃で5~30分ほど加熱されますので一般的な加熱調理と同様に殺菌されますし、温燻法では50~80℃で1~3時間ほど加熱されるために低温調理における低温殺菌(パスチャライズ)と同様に殺菌されることになります。
これらのことからも燻製は燻煙と加熱の効果で日持ちするようになります。
具体的な賞味期限は?
燻製の賞味期限は燻製法により異なります。
燻製法には大きく3種類(熱燻法、温燻法、冷燻法)がありますが、調理工程や燻製条件が異なることからも「熱燻法→温燻法→冷燻法」の順に保存性が高くなっていきます。食材による差はありますが「熱燻法:1~2日」「温燻法:7~10日」が目安になります。
冷燻法は食材によっては長期保存が可能なものもあります。
熱燻法 | 冷蔵庫で1~2日 |
---|---|
温燻法 | 冷蔵庫で7~10日 |
冷燻法 | 長期保存可能なものもある |
ポイントとなるのは水分量です。
熱燻法は水分量が多くジューシーな仕上がりであることが特徴ですので日持ちはしませんが、温燻法は塩漬けと塩抜きをしたのちに乾燥させてから燻煙をしていますので水分量が少なくなり熱燻法よりも日持ちをするようになります。
このことからも温燻法で作られた食品は7~10日ほどは日持ちします。
保存方法で日持ちさせるには?
燻製の保存には真空パックがおすすめです。
短時間で作れる熱燻は保存を考えずに数日で食べきるのがセオリーです。しかし、ある程度の時間のかかる温燻(ベーコンやスモークチキンなど)は真空パックにしてから保存することにより日持ちするようになります。
雑菌の繁殖や脂質の酸化が抑制されるためです。
保存期間に関しては「食材の鮮度」や「脂質の量」などに影響を受けます。このことからも長期保存を考えている場合には鮮度の良い食材をていねいに下ごしらえすることがポイントになります。
真空パック器は食材の保存に重宝します。
まとめ・燻製はどのくらい日持ちする?
燻製は日持ちします。
食材や鮮度にもよりますが、一般的に熱燻法は1~2日、温燻法は7~10日ほどは日持ちします。これは燻製づくりの基本工程「下ごしらえ→塩漬け→塩抜き→乾燥→燻煙→熟成」にはそれぞれに保存性を高める効果があるためです。たとえば下ごしらえには掃除をして細菌を減らす効果、塩漬けには殺菌効果、乾燥には細菌の抑制効果、燻煙には煙や熱による殺菌効果、熟成には細菌の抑制効果などです。
しかし最終的な判断は自己責任の範疇になります。