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こんにちは、めしラボです。
鉄フライパンには「普通のフライパン(ノンスティックフライパン)よりもメイラード反応による焼き色を付けやすい」「ブラシ(たわしや竹ささらなど)で洗って乾かすだけなので管理が楽」などのメリットがありますが、収納方法には多少の注意が必要です。
個人的には吊るす収納方法をおすすめします。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 鉄フライパンの収納方法を知りたい。
- 使用後の鉄フライパンはどのように片づければ良いのか?
- 使わなくなった鉄フライパンの長期保管の方法は?
鉄フライパンには吊るす収納が適しています。
フライパンの収納にはいくつかの方法がありますが、鉄フライパンには「熱して乾かしてから片付ける」「異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)のリスクがある」「油切れや湿度によりサビる可能性がある」などの特徴があります。
そのためノンスティックフライパンの片付け方とは同じではありません。
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吊るす収納方法のメリットは?
吊るす収納はすぐに片づけられます。
鉄は水に触れたままにしておくとサビます。鉄は水に触れることで第一鉄イオンが溶出します。この時水中に溶存している酸素により自由電子が放出されて水酸基イオンが生じます。水酸基イオンと第一鉄イオンが反応すると水酸化第一鉄(白いサビ)になります。
水酸化第一鉄は酸化することにより赤錆(含水酸化第二鉄)になります。
これらのことからも鉄フライパンはから焼きすることにより完全に乾かしてから片付けるようにします。しかし、鉄フライパンは熱容量(比熱×質量)の大きな調理道具ですので熱を持ったままでも片付けられる吊るす収納が適しています。
また、吊るす収納であれば(ある程度の風通しを確保できるために)湿度の高さによる腐食のリスクも小さくなります。
重ねてはいけない理由は?
金属は電位差により部分腐食することがあります。
たとえばサビないはずのステンレスであっても濡れた状態でステンレスよりも自然電位の高い異種金属に触れているとサビが生じます。この片方の金属の腐食が進行する現象のことを異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)と呼びます。
異種金属接触腐食では自然電位の低い金属の腐食が進む傾向にあります。
鉄は比較的電位の低い金属ですので収納時に他金属の調理道具(ステンレス、銅、錫など)と触れ合っていると電位差により部分腐食が生じてしまうことがあります。部分腐食は内部へと進行していきますので最悪の場合は穴が開きます。
これらのことからも、素材の異なる調理道具は離して収納することがポイントになります。
フライパンを吊るすための金具は?
フライパンを吊るすためには金具を使います。
しかしレンジフードにはブーツ型(スタンダード型)とスリム型(溝やつなぎ目の少ないタイプ)がありますので注意が必要です。スリム型のレンジフードには物理的に金具を吊るすための溝がないためにマグネットタイプを利用することになります。
また金具の材質などの問題もあります。
- ブーツ型レンジフード:溝に掛けるタイプのフック
- スリム型レンジフード:マグネット式のフック
安価なプラスチック製のS字フックなどはNGです。
鉄フライパンは重い調理道具です。重いこと(熱容量が大きいこと)は鉄フライパンのメリットの一つではありますが、収納時に落下してしまうと大事故につながる恐れがあります。揚げ物をしているときにフライパンが落ちてきたらと考えるとゾッとしますよね?
マグネット式の場合は耐荷重に余裕を持たせることがポイントです。
使わずに長期保管する方法は?
鉄フライパンの長期保管はサビることがあります。
保管中のサビを防ぐためには「油膜を作って空気に触れないようにする」ことがポイントになります。そのためには「薄く乾性油を塗って油膜を作っておく」「油紙(パラフィン紙など)で包んで油膜切れを起こしにくくしておく」などの手段が取られます。
正しくシーズニングされている鉄フライパンであれば錆びません。
また保管中の湿度により錆びてしまうこともありますので、可能な限り乾いた環境に置いておくこともポイントになります。たとえば湿気は低い場所にたまりますので、流し台の下よりは天袋に収納した方が錆びにくいといった具合です。
とはいえ定期的に使うのが理想です。
まとめ・使用後の鉄フライパンは?
鉄フライパンには吊るす収納がおすすめです。
鉄フライパンは水分により腐食しますので、使用後はから焼きをして完全に乾かしてから片付けなければいけません。そのため冷める前でも片付けることのできる吊るす収納が便利です。また油膜の不完全な鉄フライパンを長期保管してしまうとサビてしまいます。
そのため油切れを起こさないようにして乾燥した場所に保管することがポイントになります。