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こんにちは、めしラボです。
鉄フライパンの外側には油汚れが蓄積していきます。焼き切れない程度の高温にさらされ続けた油汚れは頑固な焦げ付き汚れとして蓄積していきますので、いざ落とそうとしても簡単には落とせない状態になっていきます。
その汚らしい見た目に辟易している方も少なくないはずです。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 鉄フライパンの外側の汚れが気になっている。
- 頑固な焦げ付き汚れが落とせずに困っている。
- 外側の汚れは落としたいがリセットはしたくない。
焦げ付き汚れの落とし方には大きく3種類あります。
それが「油汚れを高温で焼き切る方法」「アルカリ性洗剤で油汚れを落とす方法」「酸性洗剤で鉄フライパンの表面を溶かすことにより油汚れを落とす方法」です。基本的には焼き切る方法をおすすめしますが、環境が許さない場合には洗剤で落とすこともあります。
いずれにしても汚れと洗剤の仕組みや相性を理解することがポイントになります。
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外側に油汚れが焼き付く理由は?
鉄フライパンの外側には汚れが焼き付きます。
鉄フライパンは「空焼きをしてから油を加える」「油返しをする」「竹ササラで洗って繰り返し使用する」「洗剤を使わずに洗うことが多い」「洗った後には火にかけて乾燥させる」などの理由から外側が汚れやすいフライパンです。
そのためノンスティックフライパン以上に手がかかります。
外側の汚れはそのまま使用していても大きな問題にはなりませんが、あまりにも汚れが蓄積してしまうと見た目が汚らしいですし熱効率(熱伝導率や比熱など)に悪影響が出る可能性も否定はできませんので定期的に落としておきます。
調理道具に手入れが必要なのは、鉄フライパンに限ったことではありません。
焼き付いてしまった汚れを落とすには?
鉄フライパンの外側には汚れが蓄積していきます。
鉄フライパンの外側に生じる油汚れは非常に頑固な汚れですので、高温に熱することで汚れを炭化させてから金たわしを使って水洗いをして落とすのがセオリーとされています。しかし油汚れを炭化させるためには内側の育っている油膜までもが焼き切れてしまうことになりますので、外側の汚れだけを落とすアプローチをすることもあります。
それがアルカリ性洗剤や酸性洗剤を使って落とす方法です。
- 焼き切る→油汚れを炭化させる
- アルカリ性洗剤→油汚れを落とす
- 酸性洗剤→フライパンの表面を溶かす
油汚れを焼き切ることで落とすには?
油汚れを焼き切るのは最もシンプルな方法です。
鉄フライパンの外側に蓄積していく油汚れは、高温に熱することで燃えて炭化させることができます。炭化した油汚れは金たわしなどを使って水洗いをすることにより簡単に落とすことができますので、プロの厨房をはじめ広く利用されている方法です。
以下は中華鍋の油汚れを炭化させた際の手順です。
油汚れの炭化作業は安全な場所で行います。台所でもできますが油汚れを燃やしますので炎が出ます。周りに燃えるものがないことを確認してから実施してください。
step.1
カセットコンロやバーナーなどで加熱します。鉄フライパンや中華鍋は大きいほど(または厚いほど)に時間がかかります。時間に余裕のある時に行ってください。
step.2
油汚れが燃えて炭化していきます。場合によっては比較的大きな炎と煙がでますので注意してください。油汚れが剥がれ落ちるようになるまでしっかりと炭化させます。
step.3
金たわしなどを使って水洗いします。洗い終わりましたら火にかけて乾燥させておきます。しっかりと熱してから薄く油を塗っておくと油なじみが良くなります。
step.4
油汚れを炭化させるには高温に熱する必要があります。
使い始めの防錆塗装の焼き切りや酸化皮膜の形成と同様の作業になりますので、安全センサー(SIセンサー)の付いているガスコンロでは作業できません。そのためカセットコンロやガスバーナー、SIセンサーをだますための五徳を使用することになります。
くれぐれも事故や火傷などには注意してください。
油汚れをアルカリ性洗剤で落とすには?
アルカリ性洗剤は油汚れに効果があります。
鉄フライパンの外側に蓄積していく汚れの多くは「酸化重合した油や埃、水アカ汚れなどが混じり合ったもの」です。そのため重曹やセスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウムなどのアルカリ性洗剤を使って落とすことができます。
以下は各アルカリ剤の強さです。
- 重曹:pH8.4
- セスキ炭酸ソーダ:pH9.6~10
- 過炭酸ナトリウム:pH10~11
使い方はシンプルです。
重曹には水に溶けにくいという性質がありますので「油汚れをゆるめながら落とすことのできる研磨剤」のようにして使います。セスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウムはお湯で溶かすとpHが高くなるという性質がありますので「お湯で溶かしてからフライパンに吹き付け、キッチンペーパーとラップで湿布をして油汚れをゆるめる」ようにして使います。
汚れを落とす際には丸めたラップやアルミホイルなどが便利です。
油汚れを酸性洗剤で落とすには?
酸性洗剤は鉄フライパンの表面を溶かします。
あまりにも油汚れが蓄積してしまっている場合には、アルカリ性洗剤だけでは落とせないことがあります。そのような場合には焼き切って落とすか酸性洗剤を使うしかありませんが、油汚れを焼き切るには炎がでますので環境が許さないこともあります。
そのような場合には酸性洗剤を使います。
酸性洗剤にはルック(ライオンのトイレ用洗剤)をおすすめします。鉄フライパンの裏側全体に古歯ブラシなどを使って塗り広げます。酸性洗剤というとサンポールが有名かと思いますが、サンポールの有効成分は塩酸、ルックの有効成分はスルファミン酸です。塩酸はフライパンを痛めてしまうか可能性が高いためにおすすめしていません。
step.1
キッチンペーパーを密着させてからラップをして乾燥を防ぎます。キッチンペーパーが密着しない場合には洗剤を足します。軽度であれば5分ほどで落ちるようになりますが、一晩ほど置かなければ効果がない場合が大半です。
step.2
ラップとキッチンペーパーを外したら金たわしを使ってこすります。焼き付いていた焦げ付き汚れが黒い塊となってポロポロと落ちるはずです。大方の汚れを落とせましたら丸めたラップ(もしくはアルミホイル)とクレンザーを使います。つなぎ目(リベットの部分)にはスチールブラシを使います。
step.3
汚れを落とせましたら入念に水洗いをして洗剤を落とします。酸性洗剤は鉄フライパンを腐食させますので入念に洗い流してから台所用洗剤を使って洗います。洗い終えましたら十分に乾かして作業終了です。しっかりと熱してから薄く油を塗っておくと油なじみが良くなります。
step.4
酸性洗剤の使用は焼き切ることのできない場合の最終手段です。
酸性洗剤を使うということは鉄フライパンの表面を溶かすということですので、できることならアルカリ性洗剤や焼き切ることで落とすのが理想です。しかし環境によっては油汚れを焼き切れないこともあるはずですので、最終手段として酸性洗剤で落とす方法を紹介しています。
酸性洗剤を利用する場合には保護具(手袋、眼鏡、マスクなど)を付けた上で慎重に作業することをおすすめします。
まとめ・鉄フライパン裏側の焦げ付きを落とすには?
鉄フライパンの外側には油汚れが蓄積していきます。
焦げ付いた油汚れを落とすためには「油汚れを炭化させて落とす方法」「アルカリ性洗剤で油汚れをゆるめて落とす方法」「酸性洗剤で鉄フライパンの表面を溶かして汚れを落とす方法」の3パターンがありますので汚れの状態や環境に応じて使い分けます。
おすすめは炭化させて落とす方法ですが、汚れが軽い場合にはアルカリ性洗剤、バーナーなどを使って炭化させることが(環境上)できない場合には酸性洗剤を使います。