塩麹の作り方は?

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こんにちは、めしラボです。

塩麹は汎用性の高さが魅力です。肉に用いれば容易に柔らかくなり、魚に用いれば魚臭さが和らぎます。塩麹を用いることで賞味期限(消費期限)を延ばすこともできますので、家庭料理においても心強い味方になります。

そんな魅力的な調味料ですが、作るのは難しくありません。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 塩麹を手作りしてみたい。
  • 市販の塩麹では物足りない。
  • 美味しい塩麹を作るポイントを知りたい。

塩麹は作り方により味や効果が変わります。

塩麹の作り方には常温で作る方法とヨーグルトメーカーなどを用いる方法がありますが、前者は酵母などによる発酵を伴いますが、後者は米麹の酵素による熟成になります。この違いにより常温発酵で作られた塩麹は複雑な味わいになり、ヨーグルトメーカーで作られた塩麹は甘味の強い仕上がりになります。

どちらにも違った良さがありますので優位性はないと考えています。

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手作り塩麹のレシピは?

材料は米麹と塩と水だけです。

生麹を使った方が力価(酵素活性)の高い塩麹になる傾向がありますが、生麹は日持ちしませんので利便性を重視して乾燥麹を用いても問題はありませんが、生麹と乾燥麹とでは水分量が違いますのでレシピの分量は多少変化します。

また乾燥麹は軟らかくなるまでに時間がかかることがあります。

材料(生麹)

  • 生麹 … 100g
  • 塩 … 30g
  • 水 … 100g

材料(乾燥麹)

  • 乾燥麹 … 100g
  • 塩 … 34g
  • 水 … 125g
作り方(常温発酵)

  1. 米麹と塩をていねいに混ぜ合わせて塩切り麹にします。
  2. 殺菌した保存容器に移して水と混ぜ合わせます。
  3. 1日1回混ぜ合わせながら発酵熟成させます。
  4. 夏は1週間前後、冬は2週間前後で完成します。

作り方(ヨーグルトメーカー)

  1. 米麹と塩をていねいに混ぜ合わせて塩切り麹にします。
  2. 殺菌したヨーグルトメーカーの容器に移して水と混ぜ合わせます。
  3. 55~60℃8~12時間ほどで加温熟成させます。
  4. 保存容器に移して冷蔵庫で保存します。

塩分濃度は13%にしています。

これは手作り塩麹の保存性を高めるためには塩分濃度12%以上(対水食塩濃度23%以上)が必要であることに加え、味噌と同じ塩分濃度にすることで調味が楽になるためです。これにより大さじ1の塩麹(約18g)には2.3gの塩分が含まれていることになります。

ちなみに塩分濃度を12%以下にするためにはアルコールの添加が必要になります。

塩麹(常温発酵)のポイントは?

常温発酵の塩麹は風味の豊かな塩麹になります。

塩麹は常温発酵で作ることにより乳酸菌や酵母などの微生物が関与して複雑な味わいになります。たとえば乳酸菌の生成する乳酸には爽やかな酸味がありますし、酵母の生成するアルコールは有機酸と結合することで華やかな芳香を生み出します。

甘味は少なくなりますが味の複雑化には常温発酵がおすすめです。

  1. 米麹と塩をていねいに混ぜ合わせて塩切り麹にします。塩切り麹にせずにすべての材料を混ぜ合わせても問題はありませんが、塩切り麹にすることで(麹菌の働きを止めることで)酵素の働きが良くなるとされています。

    step.1

  2. 殺菌した保存容器に移して水と混ぜ合わせます。保存容器は煮沸やアルコールスプレーなどで殺菌しておきます。常温発酵では様々な微生物が関与することになりますので、不必要な微生物(腐敗菌など)を避けるためにも大切な作業になります。

    step.2

  3. 1日1回混ぜ合わせながら発酵熟成させます。かき混ぜることで発酵のバランスを整えることができます。そのまま放置してしまうと乳酸菌や酵母の働きが強くなりすぎて酸味やアルコール臭の強い塩麹になってしまう恐れがあります。

    step.3

  4. 夏は1週間前後、冬は2週間前後で完成します。微生物や酵素の働きは温度に影響されます。乳酸菌の生育適温は20~45℃であり、酵母の生育適温は10~35℃です。また植物性酵素の活性温度は50~60℃になります。

    step.4

主役は微生物です。

常温発酵熟成では乳酸菌や酵母などの微生物は働きますが、酵素(生体化学反応に対しての触媒として機能する分子)の働きはさほど強くはなりません。そのため塩麹自体は(加温熟成と比べて)甘くはなりませんが、風味は豊かになります。

基本の塩麹と言えば常温熟成発酵です。

ちなみに…

常温発酵させる場合、前回の塩麹を少量加えることで発酵が進みやすくなります。これは常温発酵させた塩麹には乳酸菌や酵母などの微生物が含まれているためであり、特に上手にできた塩麹がある場合にはそれを加えることにより風味が良くなります。

ここに注意!

アルコール発酵による炭酸ガスの発生がありますのでフタで密閉してはいけません。軽くフタを緩めておくか、キッチンペーパーや晒などでフタをするなどして埃や虫を防ぐようにします。

塩麹(ヨーグルトメーカー)のポイントは?

ヨーグルトメーカーで作られた塩麹は甘味の強い塩麹になります。

米麹に付着している麹菌は塩や水と混ざり合うことにより死滅して酵素だけが残ります。酵素は適温に加温されることで短時間のうちに炭水化物を糖に分解していきます。そのため塩味のある麹甘酒のような味わいになります。

甘味の強い塩麹が好みであればヨーグルトメーカーの使用をおすすめします。

  1. 米麹と塩をていねいに混ぜ合わせて塩切り麹にします。(※常温熟成発酵と同じです)

    step.1

  2. 殺菌したヨーグルトメーカーの容器に移して水と混ぜ合わせます。(※常温熟成発酵と同じです)

    step.2

  3. 55~60℃8~12時間ほどで加温熟成させます。

    step.3

  4. 保存容器に移して冷蔵庫で保存します。殺菌した保存容器に移して冷蔵庫に入れておきます。6カ月ほどは保存がききます。

    step.4

甘味の強い塩麹に仕上がります。

これは酵素活性の高い温度帯(50~60℃)で熟成させることに加えて、微生物による糖の消費が起こらないためです。多くの微生物は55℃以上で長時間管理されることで活動を停止または死滅してしまいますので、糖は消費されることなく残ることになります。

甘味の強い塩麹になるのはそのためです。

まとめ・基本となる塩麹の作り方は?

塩麹の作り方はシンプルです。

しかし塩分濃度を12%以下(対水食塩濃度23%以下)にすることはおすすめしません。塩分濃度を下げるためには低温殺菌やアルコールの添加が不可欠になります。特に殺菌温度が高すぎると酵素が失活してしまいますので注意が必要です。

酵素が失活してしまうと塩麹の効果は大きく損なわれることになります。