ぬか床が黒い?

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こんにちは、めしラボです。

ぬか床を管理していると、ぬか床の表面(または全体)が黒く変色することがあります。「腐ってしまったのかな?」と心配になるかもしれませんが、不快な腐敗臭がなければ腐っているわけではありませんので心配はいりません。

またぬか床は熟成が進むにつれて徐々に濃くなっていくこともあります。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ぬか床の変色理由を知りたい。
  • 表面が黒く変色する理由は?
  • ぬか床の色が濃くなっていく理由は?

ぬか床は黒くなることがあります。

ぬか床が黒くなる理由として考えられるのは「①酸化」と「②色素の発色やメイラード反応」です。前者の場合は空気に触れているぬか床の表面だけが黒く変色し、後者の場合はぬか床全体が黒ずみや濃くなるように変色するのが特徴です。

いずれにしても害はありませんので、問題ありません。

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表面が黒くなる理由は?

ぬか床は酸化により黒ずみます。

多くの野菜や果物は酸化により変色します。これは植物に含まれているポリフェノール系物質が空気中の酸素によって酸化され、それが縮合という変化を起こして褐色の物質に変化してしまうためです。そのため表面の酸素に触れている部分だけが変色します。

しかし空気(酸素)だけでは変色しません。ポリフェノール系物質が酸化反応を起こすためには「ポリフェノール系物質、酸素、酸化酵素(オキシダーゼ)」がそろっている必要があります。

つまり一つでも欠けていれば酸化は起こらないということです。

このことからも、「空気を遮断する」「酸性を強くする」「還元作用のある物質(アスコルビン酸など)を加える」ことによりぬか床の表面の黒ずみ(ポリフェノール系物質の酸化)は防ぐことができます。

まずは乳酸菌を増やすようなアプローチをしてみることをおすすめします。(※乳酸が増えると産膜酵母が増えやすくなります)

全体が黒くなる理由は?

植物の色素には金属イオンにより鮮やかに発色するものがあります。

たとえば、なすの紫色の色素であるナスニン(アントシアン系の色素の一種)です。ナスニンの分子は金属イオン(鉄イオンやアルミニウムイオンなど)と結びつくことにより青紫色の化合物となり鮮やかに発色します。

なすのぬか漬けに鉄玉子やミョウバンが用いられるのはこのためです。

しかし、ぬか床内に金属イオンが豊富に含まれていると(鉄玉子などを入れていると)野菜から抜け出たアントシアン系の色素とも反応してしまうために、ぬか床全体が黒ずんだような色に変色してしまうことがあります。

また、水や食塩由来の金属イオンにより変質しやすいぬか床であることもあります。

【補足説明】長期間管理しているぬか床の場合にはメイラード反応(アミノ-カルボニル反応)により褐変反応が起こることもあります。メイラード反応とはアミノ酸と還元糖の結合を出発点としてメラノイジンと呼ばれる褐色物質が生成される反応です。身近なところでは味噌の色が熟成により濃くなっていくのはメイラード反応によるものです。

まとめ・ぬか床が黒い?

ぬか床が黒く変色することがあるのには2パターンの理由が考えられます。

それが「ポリフェノール系物質の酸化による変色」と「アントシアン系の色素の一種が金属イオンと結びつくことによる変色」です。いずれが原因であっても害はありませんので混ぜ込んでしまっても問題はありません。

メイラード反応の場合は足しぬかの頻度や量をコントロールすることにより薄められますが特に気にする必要もないかと思います。

※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。