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こんにちは、めしラボです。
ぬか床を美味しくするには手入れ(天地返しや足しぬかなど)が欠かせません。しかし闇雲に手入れをすればよいというわけではなく、天地返しや足しぬかはやらな過ぎては良くありませんし、やりすぎても良くありません。
ぬか床の手入れには「休ませる」という意識が必要です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床を休ませる目的は?
- 休ませないデメリットは?
- ぬか床を休ませなければいけないタイミングは?
ぬか床を休ませるのには意味があります。
それが「乳酸菌を増やすために数日間休ませること」と「厳冬期の手入れを省くために数ヶ月間休ませること」の2パターンです。前者は足しぬかなどの後に行われ、後者は厳冬期に数ヶ月間冬眠させるために行われます。
また旅行時などに1週間ほど休ませる方法もあります。
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足しぬか後に休ませる理由は?
足しぬか後のぬか床は数日ほど休ませます。
ぬか床には足しぬかが欠かせません。足しぬかとはいわばぬか床の新陳代謝のようなものであり、足しぬかの頻度が少なすぎれば「有益な微生物への栄養が足りなくなる」「ぬか床の三相(気相、液相、固相)のバランスが悪くなる」などの問題が生じやすくなります。
そのようなぬか床に漬けられたぬか漬けはおいしくありません。
足しぬかをするということはぬか床が薄まるということです。ぬか床はpH4.3ほどの水素イオン指数と6~8%ほどの塩分濃度により腐敗菌の侵入を防いでいますが、ぬか床が薄まるとpHが上昇するために腐りやすくなります。
そのため、ぬか床を休ませることにより乳酸菌を増やします。
厳寒期に冬眠させる理由は?
ぬか床は冬眠させることで味が良くなります。
冬のぬか漬けはおいしくありません。これはぬか床に生育している微生物が20~25℃ほどの温度帯を好むためであり、低温で酷使することでぬか床の状態は悪くなっていきます。常時冷蔵庫管理しているぬか床がおいしくなりにくいのと同じ理屈です。
多くの先人たちも同様のことを感じています。
基本的にぬか漬けは夏の食べ物です。無理にぬか床を続けておいしくない(おいしくなりにくい)ぬか漬けを食べ続ける必要はありませんし、約3カ月間ぬか床を放置できるというのは気持ちの面でもプラスになると考えています。
私自身、休養期間があるからこそぬか床を続けられていると思っています。
旅行などで休ませたい場合は?
ぬか床を休ませるポイントは温度です。
ぬか床に生育する微生物は20~25℃前後の温度帯を好みます。10℃を下回るようになると微生物の生育スピードは極端に鈍化しますので、冷蔵庫管理に切り替えることにより1週間ほどの旅行であれば問題なく休ませることができます。
10日以上になる場合は落としラップなどをして表面の空気を遮断します。
また、室温が20℃前後の季節であれば難しく考える必要はありません。3日ほどであれば常温放置でも腐ることはありませんし落としラップをして空気を遮断しておけば産膜酵母が増えすぎてしまうこともありません。
3日ほどであれば足しぬか(もしくは落としラップ)をして常温放置、それ以上であれば冷蔵庫管理のようなイメージです。
まとめ・ぬか床を休ませる理由は?
ぬか床は休ませることがあります。
足しぬか後の数日間は「乳酸菌を増やすために休ませる」ことになりますし、厳寒期には「低温時のぬか床の手入れを避けるために(または長期間休ませることでぬか床の味をよくするために)休ませる」ことになります。
また3~7日程度であれば足しぬかや温度管理などにより調節できます。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。