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こんにちは、めしラボです。
ぬか床を管理していると水っぽくなっていくことがあります。多少ゆるい程度であれば問題はありませんが、水分の多すぎるぬか床には多くのデメリットがあります。ぬか床を長く管理していくためにも適切な手入れが必要です。
また漬ける量に対して小さすぎるぬか床は水っぽくなりやすくなります。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床が水っぽくなりやすい。
- ぬか漬けの酸味が強すぎる。
- ぬか漬けに不快な臭いが生じることがある。
水っぽいぬか床は酸っぱくなります。
ぬか床に野菜を漬けると浸透圧の作用により水分が浸出します。水分量の増えたぬか床は空気が遮断されるようになるために嫌気性菌(乳酸菌や酪酸菌など)が増えて「酸っぱくなる」「無精香(蒸れた靴下臭)」などの問題が起こりやすくなります。
そのためゆるすぎるぬか床には水抜きや足しぬかなどの手入れをします。
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ぬか床が水っぽくなる理由は?
ぬか床は野菜の水分により水っぽくなります。
6%前後の塩分を含むぬか床に野菜を漬けると浸透圧の作用により水分が浸出します。これは野菜の細胞膜には半透膜の性質(一定の大きさ以下の分子またはイオンのみを透過させる性質)があるためです。
さらには原形質分離(細胞壁と細胞膜が分離する現象)を起こします。
これらの変化を「漬かる(塩殺し)」と呼ばれます。このことからもぬか床に野菜を漬けると(野菜の種類にもより程度の差はありますが)ぬか床の水分量が増えて塩分量は減っていくことになります。
ぬか床が水っぽくなるのは野菜が漬かるためです。
ゆるいぬか床のデメリットは?
ゆるいぬか床は酸っぱくなります。
ぬか床がゆるくなると嫌気性菌(空気を好まない微生物)が増えやすくなります。具体的には通性嫌気性菌(酸素により活動が鈍化する微生物)である乳酸菌や偏性嫌気性菌(大気レベルの酸素でも死滅する微生物)である酪酸菌などです。
乳酸と酪酸には特有の香味があります。
生成物 | 特徴 | |
---|---|---|
乳酸菌 (通性嫌気性菌) | 乳酸 | 酸っぱいにおい |
酪酸菌 (偏性嫌気性菌) | 酪酸 | 蒸れた靴下のにおい |
通常はかき混ぜることでバランスを取ります。
しかしぬか床がゆるくなりすぎるとかき混ぜても(天地返しをしても)空気に触れさせることができなくなりますし、すぐに空気が遮断されてしまうために嫌気性菌(乳酸菌や酪酸菌など)が増えすぎてしまうことになります。
嫌気性菌の増えすぎたぬか床からは悪臭がただよい腐りやすくなります。
水抜きと足しぬかについて
ぬか床の水分管理には水抜きと足しぬかをします。
水抜きと足しぬかはぬか床の状態に応じて使い分けます。水抜きは直接的に水分を抜きますので塩分濃度が下がりますが、足しぬかは食塩も足されますので塩分濃度は下がりません。しかしぬか床が薄められることになりますので漬かりは悪くなります。
以下のようなイメージです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
水抜き | すぐに使える | 食塩を足さなければいけない うま味が抜ける |
足しぬか | 微生物の餌になる | 休ませなければいけない |
水抜きは塩分濃度にさえ気を付けていればすぐにでも使えます。
しかし足しぬかはぬか床自体が薄められてしまうことになりますので微生物(主に乳酸菌)が増えるまでの数日間は休ませなければいけません。休ませずに使い続けてしまうと乳酸菌が少ないためにpHが上昇して腐りやすくなります。
ぬか床にはヨーグルト程度の酸味があるのが正常な状態です。
まとめ・ぬか床が水っぽい?
ぬか床は野菜から浸出した水分によりゆるくなっていきます。
ゆるいぬか床は空気が遮断されやすくなるために嫌気性菌(乳酸菌や酪酸菌など)が増えるために「酸っぱいにおい」や「蒸れた靴下のような臭い」が強くなっていきます。そこで水抜きや足しぬかによって水分管理をしていきます。
あまりにもゆるくなりやすい場合にはぬか床を大きくします。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。