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こんにちは、めしラボです。
ぬか床の表面やぬか床容器内側の側面にはカビが生じてしまうことがあります。カビにはカビ毒(カビが作り出す人間に対して有害な代謝産物)を生成するものがありますので、基本的には表面を厚めに取り除くことで対処します。
カビは好気性菌であるためにぬか床の内側まで広がることはありません。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床に生じたカビを混ぜてしまった場合には?
- ぬか床のカビにはどのような害があるのか?
- カビと産膜酵母の違いとは?
カビを混ぜてしまったぬか床は作り直すことをおすすめします。
ぬか床に生じやすいカビの大部分はカビ毒を生成しませんし、生成されていたとしても健康な人に対する毒性は強くありません。またカビと産膜酵母を見間違えている可能性もありますので問題が起こる可能性は低いといえます。
しかしカビ毒を生成するカビが存在することも事実ですので、多くのカビを混ぜてしまった場合には作り直した方が安心です。
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カビと産膜酵母の違いとは?
ぬか床はカビの生えにくい環境です。
ぬか床は6~8%前後の塩分濃度、pH4.5前後の水素イオン指数、毎日の天地返しなどにより不要な微生物の侵入や増殖を防いでいます。このことからも適切な手入れをされているぬか床にカビが生じることはありません。
本当にカビなのか? を確認する必要があります。
- カビ:ふわふわとしたコロニーをつくり点状に増えていく
- 産膜酵母:べったりと全体に広がっていく
ぬか床の表面は白い膜に覆われることがあります。
多くの場合、ぬか床の表面を覆う白い膜の正体は産膜酵母です。カビは菌糸を伸ばすためにふわふわとしたコロニーを形成して増えていきますが、産膜酵母は酵母の集合体であるためにべったりとした膜を張るように増えていきます。
どちらも好気性菌ですがよく観察してみると見た目が違います。
産膜酵母に害はありませんのでぬか床に混ぜてしまって問題はありません。産膜酵母のにおいが気になる場合には表面を取り除いてからよく混ぜておきます。
カビが生じてしまった場合の対処方法は?
ぬか床に生じたカビは確実に取り除きます。
ぬか床に生じることのあるカビにはカビ毒のリスクが低い(または毒性が低い)と言われることもありますが、カビ毒の有無を目視で判断することはできません。このことからも産膜酵母ではなくカビである場合には表面を厚めに取り除きます。
また胞子が付着している可能性がありますのでぬか床容器の内側はアルコールなどを用いて除菌します。
- カビ毒の有無は見た目では判断できない。
- カビ毒にはアレルギーの原因や発がん性を有するものがある。
- 加工や調理によりカビ毒が低減することはない。
ぬか床にカビが生じるのは稀なことです。
カビの生育環境は温度(最適生育温度25~28℃)、pH(最適pH4~4.5)などのようにぬか床の環境に適している部分があります。しかしぬか床内の微生物が生成しているアルコールや炭酸ガスにはカビの生育を抑制する働きがあります。
ぬか床は定期的に天地返しが行われることからも、カビの生じにくい環境であるといえます。カビが生じやすいのは「ぬか床を仕込んだ最初の1週間」や、「長期間放置してしまった場合」などになります。
思い当たる場合には注意が必要です。
ぬか床の水分としてだし(昆布と干し椎茸の合わせだし)を利用した場合、昆布や干し椎茸を直接入れた場合に比べてアミノ酸が多いことによりカビやすくなります。そのため「天地返しの頻度を増やす」もしくは「落としラップなどをして表面が空気に触れないようにしておく」などの対策が必要になることがあります。
カビを混ぜてしまった場合には?
基本的には作り直すことをおすすめします。
ぬか床にカビが生じているということは、(多くの場合)長期にわたって手入れが行われていないということになります。そのようなぬか床には酪酸菌による無精香(履き古した靴下のような臭い)が生じている可能性が高くなりますのでリカバリーに時間がかかります。
それであれば作り直した方が早く美味しいぬか漬けを食べられます。
ぬか床は2週間ほどの管理で本漬けができるようになります。本格的な熟成には3カ月間(夏は2カ月間、冬は4カ月間)ほどの時間を要しますが、若いぬか床には若いぬか床の良さがありますので、ぬか床は管理期間が全てではありません。
このことからもカビを混ぜてしまったことを心配しながら管理するくらいであれば、一から作り直した方が良いと考えています。
まとめ・ぬか床にカビを混ぜてしまった?
ぬか床表面に生じたカビは厚めに取り除きます。
カビにはカビ毒と呼ばれる人間に対して有害な代謝産物を生成するものがあります。すべてのカビがカビ毒を生成するわけではありませんが、カビ毒を生成するカビは確実に存在していますので注意が必要です。
これらのことからも、うっかり混ぜてしまった場合には(カビの程度にもよりますが)新しく作り直すことをおすすめします。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。