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こんにちは、めしラボです。
ぬか床を管理していると、ピリピリとした刺激のあるぬか漬けに漬かってしまうことがあります。五味(塩から味、甘味、酸味、苦味、うま味)とはかけ離れた刺激であるために驚いてしまう方は少なくありません。
この刺激に健康への害はありませんので食べてしまっても問題はありません。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか漬けにピリピリとした刺激があることのある理由は?
- ピリピリとしたぬか漬けにしない方法は?
- ぬか床内の微生物のバランスを整えるには?
ぬか漬けは炭酸ガスが溶け込むことでピリピリします。
ぬか床には様々な微生物が生育しています。たとえばぬか漬けの爽やかな酸味は乳酸菌により生成される乳酸によるものですし、華やかな香りは酵母により生成されたアルコールが有機酸と結合してエステル化することによるものです。
これらの微生物(主に酵母)は炭酸ガスを生成するため、炭酸ガスの濃度が高くなるほどにピリピリとした刺激が強くなる傾向にあります。
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ピリピリの原因は?
ぬか漬けのピリピリは炭酸ガスによるものです。
ぬか床に生育している微生物には炭酸ガス(二酸化炭素)を生成するものがあります。たとえば酵母はグルコースを消費してエタノールと二酸化炭素を生成する微生物ですし、乳酸菌の中にも二酸化炭素を生成する種類が存在します。
そのため微生物の働きが活発になる暖かい季節に起こりやすい問題です。
気温などにより酵母の働きが活発化する
エタノールと二酸化炭素が生成される
ぬか漬けに炭酸ガスが溶け込む
炭酸ガスがピリピリとした刺激になる
注意するべきは酵母です。
エタノールと炭酸ガスを生成する微生物は複数種類存在していますが、その大部分を占めているのは酵母となりますので、ぬか漬けにピリピリとした刺激を感じるようであれば「酵母の働きを抑制する」ことがポイントになります。
酵母の働きを抑制するためには、酵母の性質を知る必要があります。
ピリピリとしたぬか床の改善方法は?
ぬか床の手入れとは微生物のバランスを取ることです。
ぬか漬けの主役ともいえる微生物は乳酸菌です。乳酸菌は乳酸を生成することによりぬか漬けに爽やかな酸味を与えます。次に重要なのが酵母であり、酵母はエタノールを生成することによりぬか漬けに華やかな香味を与えています。
ぬか床の手入れをするためには各微生物の特徴を知る必要があります。
乳酸菌 | 酵母 | |
---|---|---|
生育 | 早い | 遅い |
酸素 | 感受性 | 耐性あり |
乳酸耐性 | 強い | さらに強い |
アルコール | 感受性 | 耐性あり |
乳酸菌とのバランスが大切です。
あまりにも乳酸菌が優位になると酸っぱいだけで華やかさのない(果実香のない)ぬか漬けになりますし、あまりにも酵母が優位になると果実香が強すぎることによりピリピリとした刺激やシンナー臭のするぬか漬けになってしまいます。
そのため酵母が優位過ぎる場合には、酵母の生育スピードが遅いという特徴を利用します。
酵母の働きを和らげるには?
酵母だけを減らすことは困難です。
酵母は乳酸菌よりも「酸素耐性がある」「乳酸耐性がある」「アルコール耐性がある」「低温耐性がある」などの特徴を有しますので、天地返しや管理温度を低くするなどの手入れをしても酵母だけを抑制することはできません。
そのため「乳酸菌よりも生育スピードが遅い」という特徴を利用することになります。
足しぬかをして微生物の濃度を低くする
少し緩めの水分管理により乳酸菌優位にする
かき混ぜる頻度を減らして乳酸菌を増やす
酸味が出てきたタイミングで通常管理に戻す
これにより乳酸菌に対する酵母のバランスを減らすことができます。
しかし30℃を超えるような季節にはあらゆる微生物の生育が暴走してしまって手に負えなくなる可能性がありますので、20℃程度で管理できる場所に移すか、それが無理であれば冷蔵庫に移して管理してみることをおすすめします。
また塩分濃度を高くして微生物全体の生育スピードを遅らせるのも効果的です。
まとめ・ぬか漬けがピリピリする?
ぬか漬けがピリピリするのは炭酸ガスが溶け込んでいるためです。
ぬか床内には炭酸ガス(二酸化炭素)を生成する微生物が存在しています。その主たるものが酵母であり、酵母はグルコースを消費してエタノールと二酸化炭素を生成しています。そのため酵母の働きが活発になることでピリピリとしたぬか漬けになります。
改善方法には、管理温度を低くする(または塩分濃度を高くする)ことで微生物の生育スピードを鈍らせたうえで、足しぬかをして微生物の濃度を低くするなどの対策がとられます。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。