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こんにちは、めしラボです。
ホームベーカリーでは多くのレシピにおいてバターが用いられます。これはバターを加えることによって「バターの風味やコクによって美味しくなる」「パン生地の伸展性が良くなることで膨らみやすくなる」などのメリットが得られるためです。
そのため分かりやすく美味しいパンを焼くためには欠かすことのできない食材であるといえます。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- パン生地にバターを加える目的は?
- バターを他の油脂に置き換えることは可能か?
- 油脂の種類による違いは?
必ずしもバターを加える必要はありません。
一般的な食パンや総菜パンなどのような(比較的)リッチなパンを焼くためにはバターが欠かせません。しかしリーンなパン(カンパーニュなど)にバターは必要ありませんし、リッチなパンを焼く場合であっても他の油脂などで代用することもあります。
焼き上がりをイメージして選択することがポイントになります。
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油脂を加える目的は?
油脂を加える第一の目的はパンを美味しくするためです。
バターやマーガリンなどのように強い香りや味を持ち合わせている油脂を加えることにより、それらはパンに直接反映されます。そのためパンに特徴のある風味を求める場合には、バター、マーガリン、オリーブオイルなどの個性的な風味を有する油脂を配合します。
反対に特徴的な風味が邪魔な場合にはショートニングなどを用います。
- 油脂の風味を求めるレシピ:バター、マーガリン、オリーブオイルなど
- 油脂の風味が邪魔になるレシピ:ショートニングなど
油脂を加える第二の目的は生地の伸展性を良くするためです。
油脂が均一に練り込まれているパン生地は、油脂の持っている可塑性(物理的な力により形を自由に変えること)によって伸展性が良くなります。伸展性の良い生地はオーブンの中でも良く膨らみますので焼き上がりがふっくらと香ばしくなります。
そのためには可塑性油脂を配合します。
- 可塑性油脂:バター、ショートニングなど
- 液体油脂:オリーブオイル、ごま油など
液体油脂に伸展性を良くする効果は望めません。
油脂による伸展性の向上はバターやショートニングなどの持っている可塑性を利用しています。そのため可塑性のない液体油脂を配合しても伸展性が向上することはなく(可塑性油脂を使用した場合と比べて)ボリュームのない仕上がりになります。
これらのことからも風味と伸展性の両方を良くしたい場合にはバターなどを選び、風味を良くしたい場合にはオリーブオイルなど、伸展性のみを良くしたい場合にはショートニングなどが選ばれることになります。
パン生地にはバターなど、ピザ生地にはオリーブオイルなどのようなイメージです。
バターを他の油脂に置き換えるには?
バターは他の可塑性油脂に置き換えることができます。
ホームベーカリーのレシピにバターが利用されている目的は「風味やコクの向上」と「伸展性の向上」です。そのため多少の風味の違いを許容できるのであれば、そのままマーガリンに置き換えても問題なく焼き上げることができます。
ちなみにトランス脂肪酸を心配する必要はありません。
マーガリンを例にとると、1食分10g当りに含まれるトランス脂肪酸の量は、約0.1gです。 [中略] ちなみにバターのトランス脂肪酸含量は、10g当り約0.2gとされていますので、もはやバターよりもマーガリンの方が、トランス脂肪酸が少ないとも言えます。
引用元: 「誤解していませんか? マーガリンのトランス脂肪酸」(駒沢女子大学)
液体油脂に置き換える場合には注意が必要です。
- 可塑性油脂:少しこねてから油脂を加える
- 液体油脂:水と一緒に混ぜてからこね始める
手ごねの場合、可塑性油脂は少しこねてから加えます。
バターなどの可塑性油脂には、グルテン間を隔てる層を作ることでグルテン同士の縦横の結合を阻害してしまう働きがあります。そのため生地をこねてグルテンの組織をある程度引き出してからバターを加えることで仕上がりが良くなります。
一方、液体油脂はグルテン間に入り込みにくいことからも水と一緒に混ぜてからこね始めるようにします。
ホームベーカリーのレシピにバターと記載されている場合には可塑性油脂を使用することを前提としたミキシングの強さが設定されていますので、液体油脂を使用すると仕上がりが変化してしまう恐れがあります。そのため置き換える場合には同じ可塑性油脂であるマーガリンやショートニングをおすすめします。
まとめ・ホームベーカリーにバターなし?
ホームベーカリーにバターが用いられるのには2つの目的があります。
それが「風味やコクが付与されること」と「生地の伸展性が良くなることで膨らみやすくなること」です。前者は乳製品の特徴であり、後者は可塑性油脂(物理的な力により形を自由に変えること)の特徴となります。
このことからも、置き換える場合には目的を明確にする必要があります。