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こんにちは、めしラボです。
市販のルー(正確には即席カレーまたはチューのもと)を使わずにカレーやシチューを作るためにはルーを作らなければいけません。もちろんルーを作らずにカレーやシチューを作る方法もありますが、仕上がりを重視するのであれば手間をかけてルーを作った方がおいしく作れます。
ここでは基本の作り方とルーの種類についてご紹介します。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 基本的なルーの作り方を知りたい。
- ルーがダマにならないポイントを知りたい。
- ホワイトルーやブラウンルーなどの違いを知りたい。
カレーやシチューでおなじみのルーは小麦粉をバターで炒めたものです。
ルーには大きく3種類(ブールマニエ、ホワイトルー、ブラウンルー)があります。ここでは使用頻度の高いホワイトルーを軸に説明していきますが、これらルーの違いは小麦粉の炒め加減の違い(メイラード反応の強弱)になっています。
ちなみにブールマニエは炒めないルーです。
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ルーの作り方は?
ルー(roux)は小麦粉をバターで炒めて作ります。
ルーにダマができてしまうのを防ぐには「小麦粉の加え方」や「小麦粉の炒め加減」などのタイミングが重要になってきます。簡単な調理ほど料理の仕組みへの理解度が仕上がりの差となって現れますので注意が必要です。
以下は基本の作り方になります。
- バター … 30g
- 小麦粉 … 30g
- 鍋やフライパンでバターを溶かす。
- ふるった小麦粉を加える。
- 流動性が出るまで炒める。
ルー作りのポイントは2点です。
バターと小麦粉は50℃以下で混ぜるようにします。バターが小麦粉の糊化温度以上になってしまうとなじみが悪くなります。次に流動性が出るまで小麦粉を炒めることです。流動性が出る前に炒めるのをやめてしまうと料理が粉っぽくなります。
また小麦粉を炒めるには厚手の鍋やフライパンを使います。板厚の薄い調理器具は熱ムラができやすいために仕上がりが良くありません。可能であればアルミフライパンや厚手のアルミ鍋(ソースパン)などが理想です。
ちょっとした違いですが料理の仕上がりは大きく異なります。
小麦粉がダマになる原因は?
ダマの原因はでんぷんの部分的な糊化です。
小麦粉の約76%はでんぷんです。でんぷんには水とともに加熱することで糊化(糊状の粘りを出して食用に適するようになる反応=α化)する性質があります。そのため小麦粉を加えるタイミングや炒め加減によっては表面だけが糊化してダマができやすくなります。
ダマにならないようにするポイントは2点です。
- バターと小麦粉は50℃以下で混ぜる。
- 流動性が出るまでルーを炒める。
これらのポイントによりルーは滑らかになります。
またなめらかなルーを作ることはなめらかなソース(ホワイトソースやブラウンソースなど)を作ることにもつながりますし、流動性が出るまでよく炒められたルーはソースの粉っぽさを防ぐことにもつながります。
おいしい料理には手間がかかります。
ダマにならない小麦粉の加え方は?
でんぷんは52~63℃で糊化します。
そのためバターが50℃以下のタイミングで小麦粉を加えます。火にかけたまま小麦粉を加えてしまうと十分に混ざる前に温度が上がりすぎてしまいますので、いったん火からおろしてから小麦粉を加えることがポイントになります。
バターと小麦粉が良くなじみましたら再び火にかけます。
低い温度でバターと小麦粉をなじませるのは小麦粉の微粒子を油でコーティングするためです。小麦粉の微粒子がバターの油でコーティングされていると温度を上げてでんぷんの糊化が起こってもとなりあう微粒子同士がくっつきにくくなります。
低い温度でなじませてから温度を上げていくことがポイントです。
小麦粉を炒めるとダマになりにくくなる理由は?
ルーはバターと小麦粉を混ぜているだけではありません。
溶かしたバターにふるった小麦粉を混ぜ合わせると目に見えるダマはなくなります。しかしその段階のルーでベシャメルソース(ホワイトソース)を作ると細かなダマや粉っぽさの残るおいしくないソースになります。
ダマや粉っぽさを防ぐためには流動性が出るまで炒めます。
ルーの炒めはじめはぼってりとしていて流動性がありませんが、炒め続けていくと徐々に滑らかなクリーム状へと変化していきます(※120~140℃)。クリーム状になったルーは小麦粉の集まりが切断されて小さくなっていますので液中に分散しやすくなります。
そのためルーをよく炒めることでダマや粉っぽさを防げます。
クラシックなソースにはブールマニエ(バターと小麦粉を混ぜ合わせた即席のルーのようなもの)が使われることもあります。しかしブールマニエは小麦粉の微粒子が油の膜でコーティングされていませんので、ダマや粉っぽさの残るソースになってしまう傾向にあります。
まとめ・ルーの作り方は?
ルーは小麦粉をバターで炒めて作ります。
ルーがダマにならないようにするためには「小麦粉を加えるときは火からおろす」ことと「流動性が出るまで小麦粉をよく炒める」ことがポイントになります。火からおろして小麦粉を加えるのは小麦粉のでんぷんの糊化温度(α化温度)が52~63℃であるためであり、小麦粉をよく炒めるのは小麦粉の微粒子をバターでコーティングすることにより液中に分散させやすくするためです。
また小麦粉をよく炒めるとでんぷんが部分的に分解されるために粉っぽい風味がなくなります。