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こんにちは、めしラボです。
ぬか床の手入れをしていると白い粒が気になることもあるはずです。特に攪拌式の家庭用精米機を使用している場合にはこの傾向が強く、「カビなのでは?」「虫や虫の卵なのでは?」などの心配をされる方は少なくありません。
ぬか床に含まれている白い粒に問題はありませんので安心してください。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床に含まれている白い粒の正体は?
- なぜ米ぬかには白い粒が含まれていることがあるのか?
- 白い粒がぬか床の品質に悪影響を及ぼすことはないのか?
白い粒の正体は胚芽や破砕米です。
ぬか床は米ぬかを乳酸発酵させて作られていますが、原料の米ぬかには胚芽や破砕米が含まれていることがあります。これらの白い粒は分解に時間がかかるためにぬか床の中で目立ってしまうことがありますが、悪影響になることはありません。
またアミノ酸が結晶化したものであることもあります。
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胚芽や破砕米について
米ぬかには胚芽や破砕米が含まれています。
玄米を白米にするためには約10%が削られています。この玄米の表面を削る作業のことを搗精(精米)といいますが、精米によって取り除かれた米ぬかの中には胚芽(芽になる部分)や破砕米(砕けてしまった米粒)も含まれることになります。
胚芽や破砕米が悪影響になることはありません。
胚芽にはビタミンB1やビタミンEなどが豊富に含まれています。脂質も多く含む部位ではありますが、そもそも米ぬかは脂質の豊富な部位になりますので胚芽に含まれている脂肪酸の酸化を心配することには意味がありません。
このことからもぬか床に含まれる白い粒には何の問題もありません。
脂肪酸の酸化や風味の低下が気になる場合には家庭用精米機をおすすめします。米ぬかの鮮度はぬか漬け(ぬか床)の風味に大きく影響しています。常に新鮮な米ぬかを入手できる環境であれば必要がありませんが、そうでないのであれば家庭用精米機を使用するメリットは大きいといえます。
家庭用精米機では白い粒が生じやすい?
家庭用精米機の米ぬかには白い粒が多く含まれます。
これはコイン精米機と家庭用精米機の仕組みが異なるためです。コイン精米機が研削式や摩擦式であることに比べ、家庭用精米機の多くは攪拌式になります。攪拌式はミキサーのような仕組みで玄米同士がこすれ合うことで米ぬかを落としています。
そのため「胚芽が粉にならない」「破砕米ができやすい」などの特徴を持ちます。
コイン精米機や圧力式の家庭用精米機の場合には「落ちた胚芽も粉になる」「破砕米ができにくい」などの特徴があるためにぬか床にしても白い粒が気になることはありませんが、攪拌式の精米機を使用した場合には白い粒が目立ってしまうこともあります。
家庭用精米機(攪拌式精米機)を使用している場合には仕方のない部分ではあります。
アミノ酸(チロシンなど)の結晶化とは?
アミノ酸の結晶化により白い粒が生じることもあります。
米ぬかには豊富な栄養素が含まれていますので、ぬか床の中でアミノ酸(チロシンなど)が結晶化して白い粒となることがあります。この場合も水に溶けにくいアミノ酸が析出しているだけですので食べても害はありません。
注意して欲しいのがカビです。
カビは水分と栄養のある場所に胞子が落ちることで増えていきますが、胞子をつくる前のカビのほとんどは白く見えます。カビは円形状のコロニーをつくって増えていきますので、ぬか床を放置してしまっている場合には初期の小さなカビを白い粒だと間違えてしまうこともあります。
白い粒であれば問題ありませんが、円形状のコロニーであれば取り除く必要があります。
まとめ・ぬか床に含まれている白い粒は?
白い粒の正体は胚芽や破砕米です。
ぬか床の主な原料は米ぬかと食塩ですが、米ぬかの中には胚芽や破砕米が含まれていることがあります。攪拌式の家庭用精米機を使用している場合にはこの傾向が強く、コイン精米機などの場合には「胚芽も砕かれる」「破砕米ができにくい」などの理由から起こりにくい問題です。
胚芽や破砕米による白い粒がぬか床の悪影響になることはありません。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。