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こんにちは、めしラボです。
カレーとホワイトシチューはどちらも小麦粉でとろみをつけています。ブラウンルー(130℃以上で炒めたルー)を使うのがカレーであり、ホワイトルー(130℃以下で炒めたルー)を使うのがホワイトシチューになります。
この違いがとろみをつけるための小麦粉の量(ルーの分量)にも影響します。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 小麦粉でとろみをつける場合の分量は?
- ホワイトルーとブラウンルーの特徴の違いは?
- ルーを作らずに小麦粉でとろみをつけてはダメ?
小麦粉には約70%のでんぷんが含まれています。
でんぷんは糊化(α化)することにより粘りがでますので、カレーライスやホワイトシチューなどのとろみにはルー(小麦粉をバターで炒めたもの)を利用します。ルーを使うのはとろみ(粘稠性)と炒めた小麦粉の風味を加えるためです。
一般的に、液体に対して「カレーライスは4~6%」「ホワイトシチューは2~4%」ほどの小麦粉が加えられます。
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とろみをつけるための小麦粉の量は?
カレーやシチューのとろみは小麦粉のでんぷんによるものです。
加えられる小麦粉の量にはおおよその目安があり、それが液体に対して「カレーライスは4~6%」「ホワイトシチューは2~4%」ほどとなります。カレーライスとホワイトシチューの目安量が異なるのはホワイトソースとブラウンソースの違いです。
ブラウンソースは粘度の低下が起こるために小麦粉を多く使います。
用途 | 液体に対する小麦粉の量 | |
---|---|---|
ホワイトソース | ホワイトシチューなど | 2~4% |
グラタンなど | 5~6% | |
クリームコロッケなど | 12~15% | |
ブラウンソース | カレーライスなど | 4~6% |
しかし、あくまでも目安でしかありません。
でんぷんには「炒める温度や調味料により粘度が変化する」という性質がありますので、液体の量が同じであっても調理方法や味つけにより粘度も変化します。たとえば油や砂糖は粘度を上げますが、食塩や食酢などは粘度を下げます。
はじめての料理の場合には教科書通りの分量がおすすめです。
ブラウンソースの粘度が低くなる理由は?
小麦粉を炒めすぎるととろみがつきにくくなります。
小麦粉のでんぷんには約120℃を境に粘度の低下が起こります。そのため小麦粉が茶色くなるまで(メイラード反応が起こるまで)炒めるブラウンソースではホワイトソースよりも多くの小麦粉を使うことになります。
ちなみにホワイトソースは炒めない小麦粉よりも粘度が高くなることもあります。
小麦粉に含まれている酵素(アミラーゼ)はホワイトソースにすることで短時間のうちに失活します。そのため炒めていない小麦粉でとろみをつける場合よりも(でんぷんの分解が少なくなるために)粘度が高くなります。
しかし加熱温度の高いブラウンソースの場合にはでんぷんの分子鎖の一部が分解されてデキストリン化が起こるために(でんぷんが膨潤しにくくなるために)粘度は低くなります。
小麦粉を炒める(ルーにする)理由は?
ブラウンソースは粘度が低下します。
でんぷんによる粘度は炒め方(ルーの炒め温度)により変化します。ごく薄いきつね色(約140℃)まで炒めると約2/3、薄いきつね色(約160℃)まで炒めると約1/2ほどの粘度の低下が起こることが確認されています。
そのためルーを炒めすぎるととろみが弱くなります。
しかし小麦粉をよく炒めることにはメリットもあります。たとえば「でんぷんの分子が小さくなり粉っぽさがなくなる」「アミノ-カルボニル(メイラード)反応を弱く起こすことで風味がよくなる」などです。
ホワイトソースやブラウンソースには加減の難しさがあります。
まとめ・小麦粉でとろみをつける分量は?
小麦粉には約70%のでんぷんが含まれています。
でんぷんには糊化(α化)することにより粘度が高くなる性質がありますので、カレーライスやクリームシチューのとろみには小麦粉が利用されています。小麦粉はそのまま加えてもとろみがつきますがルー(ホワイトソースやブラウンソース)にしてから加えることにより「粉っぽさがなくなる」「風味がよくなる」などのメリットが得られます。
しかし、でんぷんは加熱しすぎると粘度を失っていきますのでイメージ通りのルーを作るにはある程度の経験が必要です。