唐揚げを二度揚げする理由は?

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こんにちは、めしラボです。

どこの家庭でも作ることの多い唐揚げですが、ポイントを押さえていないと「中心まで火が通る前に表面が焦げてしまう」「火が通りすぎてパサパサになってしまう」などの失敗をしやすい料理でもあります。そこでおすすめなのが「二度揚げ」です。

二度揚げをすることにより唐揚げの難易度は大きく下がることになります。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 唐揚げを失敗してしまうことがある。
  • 中心まで火が通っているのか不安になることがある。
  • 表面が油っぽくなってしまう。

家庭での唐揚げは二度揚げをおすすめします。

本来、鶏の唐揚げは一度(160℃4~5分)で揚げることができます。しかし家庭での揚げ物(油の量の少ない揚げ物)では温度低下の度合いが大きくなります。そのために表面の揚げ色と内部が食べられるようになる温度を一致させるのが難しくなります。

そこで二度揚げをすることで火の通りと揚げ色をコントロールします。

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二度揚げする理由は?

揚げ物は油の対流によって熱を伝える加熱法です。

揚げ物の良し悪しは「表面の揚げ色と中心が安全に食べられる温度に達するタイミングを一致させる」ことがポイントになります。そのためにコロッケなどは高めの温度(190~200℃ほど)で揚げ、鶏唐揚げなどは低めの温度(150~170℃ほど)で揚げます。

しかし家庭での揚げ物は温度が安定しません。

油の温度は種(鶏肉など)を入れることにより低下します。特に油の量が少ない場合には「温度低下の度合いが大きい」「温度上昇に時間がかかる」などの理由から唐揚げは「表面はベタベタ、中はパサパサ」な仕上がりになります。

それを防ぐためには低い温度で熱を入れてから高い温度でカラリと揚げます。

二度揚げの温度と時間は?

二度揚げは低い温度で火を入れてから高い温度で仕上げます。

まずは低めの温度(140~160℃ほど)で安全に食べることのできる温度(中心温度75℃以上)まで加熱します。一度食品を取り出して休ませます。次に高めの温度(180℃ほど)にして30秒ほど揚げることにより表面を脱水させてカラリとさせます。

具体的には以下のような条件になります。

温度時間
一度目140~160℃5~10分ほど
二度目180℃30秒ほど

鶏の唐揚げであれば「低温5分、高温30秒」くらいが目安になります。

一度目の揚げ時間は食品の量や大きさ、水分量により変化します。一般的な鶏の唐揚げ程度の大きさであれば4~5分ほどになります。慣れていれば泡の大きさや音、持ち上げた際の振動などで確認できます。

不安な場合には温度計をさして75℃に達していることを確認してください。

【補足説明】唐揚げの揚げ色はメイラード反応(アミノカルボニル反応)によるものです。メイラード反応には温度が高いほどに早く進むという特徴があり、10℃上昇するごとに3~5倍になると言われています。そのために160℃以下で揚げ色を付けずに火を通して、180℃付近で揚げ色を付けるようにします。

二度揚げしない方法は?

二度揚げしない方法には2パターンあります。

たとえば油の量を増やせば気化熱による温度低下が小さくなるために一度で揚げられるようになります。また揚げ物鍋に熱容量の大きな鍋を使うことにより油を増やしたのと同じような効果を得ることも可能です。

理想的な油量は以下のようになります。

油の量材料の重さに対して10倍以上
油の高さ材料の厚みに対して3倍以上
油の表面積材料が1/3以下になる広さ

食材を入れたまま温度を上げる方法もあります。

低めの温度で揚げはじめてから火を強めて油の温度を上げていく方法です。しかしこの方法は「揚げ色と中心温度のコントロールが難しい」「食材の量によっては温度が上がらないことがある」などの理由から積極的にはおすすめできません。

これらのことからも家庭での唐揚げには二度揚げがおすすめです。

まとめ・唐揚げを二度揚げする理由は?

唐揚げには二度揚げをおすすめします。

唐揚げは「表面の揚げ色と中心温度(安全に食べることのできる温度)を一致させること」がポイントになります。そのため「160℃4~5分」というのは一つの目安になります。しかし油の量が少ないと油温が安定しませんので二度揚げすることにより理想的な揚げ加減を目指します。

手間はかかりますが家庭料理ではおすすめの方法です。