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こんにちは、めしラボです。
汁物が作れるようになると食卓が整います。汁物の味つけ方法は(煮物などと比べて)シンプルですのでレシピに頼らない味つけ方法に慣れるためにも良い練習になります。だし汁に適量の食塩を加えただけでも驚くほどにおいしいと感じられるはずです。
塩分濃度の加減は汁物から試してみることをおすすめします。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 汁物の味つけ方法を知りたい
- 調味パーセントでの味つけを試してみたい
- シンプルな料理で味つけの練習をしたい
汁物の調味対象はだし汁です。
だし汁に対して0.6~0.8%の味つけをするのが汁物の基本になります。具に対する味つけを考慮する必要はありませんので、みそ汁であればだし汁の60%ほど(だし汁150mlであれば100gほど)の具を加えて仕上げていきます。
みそ汁は味噌、すまし汁は食塩を基本にした味つけをします。
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汁物に味つけをする基本
汁物の調味対象はだし汁です。
だし汁を0.6~0.8%の塩分濃度に調味することが基本になりますので、まずはだし汁に0.6~0.8%分の食塩(あら塩)を加えてみることをおすすめします。健康な人の場合であれば「おいしい」と感じられるはずです。
具体的には昆布と削り節の合わせだし1カップ(200ml)に対して0.6%であればあら塩小さじ1/4(0.6×2=1.2、1.2÷4.8=0.25)、0.8%であればあら塩小さじ1/3(0.8×2=1.6、1.6÷4.8=0.33)を加えます。
数値4.8は小さじ1あたりのあら塩の塩分量です。
合わせだしを作る。
だし汁とあら塩を計量する。
だし汁にあら塩を加える。
0.6%と0.8%を比較する。
どちらもおいしいと感じられるはずです。
0.6%が少し薄味な塩分濃度、0.8%が良い塩梅の塩分濃度です。そのためご飯と一緒には出されることの少ない吸い物は0.6%前後に味つけされることが多く、ご飯と一緒に出されることの多いみそ汁は0.8%前後に味つけされることが多くなります。
ここではみそ汁を0.8%、すまし汁を0.6%としていますが、「ご飯と一緒に出すのか?」を基準に塩分濃度を考えても大丈夫です。
みそ汁の味つけ方法
みそ汁は味噌をベースに味つけをします。
調味対象はだし汁になりますので、だし汁に対して0.8%ほどの塩分濃度になるように味噌を加えるのがみそ汁の基本になります。具材は(具だくさんのみそ汁であれば)だし汁の60%ほどが適量になります。
たとえばだし汁が600mlであれば食塩4.8g(0.8×6=4.8)に相当する味噌を加えることで塩分濃度は0.8%になります。大さじ1の味噌(信州味噌など)には2.3gの食塩が含まれていますので約大さじ2(4.8÷2.3=2.09)を加えれば良いということになります。
根菜類などを加えるときにはだし汁の蒸発に注意です。
だし汁を計量します。
具材を加えて加熱します。
味噌を溶き入れます。
味見をして味を調えます。
味噌を加えてからは沸騰させてはいけません。
味噌は塩味の調味料であることに加えて香りの調味料でもありますので沸騰させてしまうと香りが飛んでしまいます。またすり鉢ですってから加えることにより口当たりが滑らかになり香りも立ちやすくなります。
ちょっとしたひと手間ですが驚くほどにおいしくなります。
味噌の香りが強すぎるように感じる場合には味噌の一部を食塩に置き換えます。上記の場合であれば味噌を大さじ1と1/2に減らしたうえで食塩を小さじ1/4加えるといった感じになります(※細かく計算する必要はありません)。
すまし汁の味つけ方法
すまし汁は食塩をベースに味つけをします。
調味対象はだし汁になりますので、だし汁に対して0.6%ほどの塩分濃度になるように食塩と少量の醤油を加えるのがすまし汁の基本になります。吸い地(吸い物と同じ味つけをしただし汁)とも呼ばれていてお椀や煮物全般にも利用されます。
たとえばだし汁が600mlであれば3.6g(0.6×6=3.6)の食塩を加えれば良いことになります。あら塩3.6gは小さじ3/4に相当する分量(3.6÷4.8=0.75)になります。しかしすまし汁は少量の醤油を加えて香りを立たせた方がおいしくなりますので、あら塩を減らして少量の醤油を加えることもあります。
また食塩や醤油(濃口醤油)は使わずに薄口醤油に置き換える方法もあります。その場合は大さじ4と1/4(0.6×6=3.6、3.6÷2.9=1.24)程度になります(※数値2.9は薄口醤油大さじ1あたりの塩分量です)。
だし汁を計量します。
食塩と醤油を計量します。
合わせてひと煮立ちさせます。
味見をして味を調えます。
少量の酒を加えることでより一層おいしくなります。
すまし汁に酒を加えると、奥行きのある上品な味になります。量に明確な正解があるわけではありませんが、今回の分量(だし汁600ml)であれば小さじ2程度です。酒の量を増やす場合には煮切り酒にしてから加えてください。
アルコールが残りすぎると料理は台無しになります。
またかき卵汁にする場合はとろみをつけます。
かき卵汁のように溶き卵を加える場合には薄い濃度でとろみをつけておくことによって「卵が均一に分散しやすくなる」「汁物の保温性が高まる」「具材に味が付着しやすくなる」「味が濃厚に感じられるようになる」などのメリットが得られます。
この場合の片栗粉の使用濃度は0.5~1.0%になりますので、だし汁600mlであれば小さじ1~大さじ1に相当する分量になります(※片栗粉は水溶き片栗粉にしてから使用します)。
中華風(または洋風)スープの味つけ方法
中華風(または洋風)スープにはインスタントだしを使います。
これまでの汁物(みそ汁やすまし汁)は調味対象となるだし汁に対して0.6~0.8%の塩味をつけてきましたが、インスタントだしを使用することの多い中華風(または洋風)スープの場合にはだし汁の塩分を考慮する必要があります。
以下は中華風だしと洋風だしの塩分です。
中華風 | 塩分含有率(%) | だし汁の塩分(%) |
---|---|---|
中華風だし(顆粒) | 53.3 | 0.44 |
鶏ガラだし(顆粒) | 48.1 | 0.80 |
中華風だし(練り) | 37.4 | 0.75 |
洋風 | 塩分含有率(%) | だし汁の塩分(%) |
---|---|---|
ブイヨン(固形) | 57.2 | 0.75 |
コンソメ(固形) | 44.1 | 0.78 |
チキンコンソメ(固形) | 34.0 | 0.80 |
多くはだしの素だけで味が決まってしまいます。
そのため塩味に関わる調味料ではなく「味に奥行きを加えるために料理酒を加える」「とろみをつけるために水溶き片栗粉を加える」「スパイス(コショウなど)などでアクセントをつける」などの味つけが中心になります。
インスタントだしを使わない場合はすまし汁の考え方と同じになります。
まとめ・汁物の味つけ方法は?
汁物の調味対象はだし汁です。
だし汁に対して味噌を基本に味つけしたのがみそ汁、食塩を基本に味つけをしたのがすまし汁になります。基本はだし汁を使用しますが、中華風スープや洋風スープには顆粒だし(または固形ブイヨン)などを使用することが多くなります。
具材に関してはだし汁の60%ほどが目安量になります。