ぬか床の捨て漬けとは?

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こんにちは、めしラボです。

ぬか漬けはぬか床(米ぬかによる発酵床)に野菜を漬けて作ります。捨て漬けをすることにより野菜に付着している微生物(乳酸菌や酵母菌など)をぬか床に移すことができますし、野菜の風味をぬか床に移すことにもつながります。

美味しいぬか漬けを作るためには欠かすことのできない工程であるといえます。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ぬか床に捨て漬けをする目的は?
  • 捨て漬けにはどのようなメリットがあるのか?
  • おすすめの捨て漬け野菜は?

ぬか床は捨て漬けにより美味しくなります。

捨て漬けとは「食べるための野菜とは別に、新鮮な野菜(一般的にはキャベツの外葉や大根の皮など)を漬けること」です。これにより「ぬか床の発酵が促される」「微生物の多様性によりぬか漬けの味がよくなる」「野菜の風味やうま味が加わる」などのメリットが得られます。

特に作ったばかりのぬか床や使用頻度の低いぬか床には捨て漬けが欠かせません。

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捨て漬けの目的は?

捨て漬け野菜の目的はぬか床の発酵を促すことです。

作ったばかりのぬか床には有益な微生物(乳酸菌や酵母など)が生育していません。そのため新鮮な野菜を漬けることにより、ぬか床に微生物を移していきます。その際、初期のぬか床には腐敗菌が多い可能性がありますので野菜は食べずに捨てます。

このことからも「捨て漬け」と呼ばれます。

  1. 野菜に生息している微生物がぬか床に移る

  2. 乳酸菌が増えることによりpHが下がる

  3. 酸性pHを嫌う微生物(主に腐敗菌)が減る

  4. ぬか漬けが美味しく漬かるようになる

米ぬかがぬか床になるまでには1~2週間ほどかかります。

1~2週間後からはぬか漬けを食べることができます。さらにぬか床の熟成が進んで安定した状態になるまでには約3カ月間(夏で2カ月、冬で4カ月ほど)の時間がかかりますので、気長に管理を続けていくことがポイントになります。

ぬか漬けの味は徐々に変化していきます。

捨て漬けのやり方は?

捨て漬けとは、野菜を漬けて捨てることです。

捨て漬けの目的は「野菜に付着している微生物をぬか床に移すこと」ですので、旬をむかえた新鮮な野菜を漬けることがポイントになります。しかし捨て漬け野菜は食べることができませんので、新鮮な野菜の捨てる部分でも大丈夫です。

野菜を漬けることにより野菜のうま味や風味も加わることになります。

やり方は簡単です。さっと洗って水けをきった野菜をぬか床に押し込んで数日間(室温20℃前後であれば2~3日ほど)放置するだけです。乳酸菌は酸素を嫌う微生物ですので、かき混ぜない(天地返しをしない)ことにより効率的に増やすことができます。

数日おきに捨て漬け野菜を変えながら2週間ほどは続けます。

捨て漬けの期間は?

室温にもよりますが、1週間から2週間ほどかかります。

新しいぬか床に捨て漬け野菜を漬けると、はじめは野菜に付着していた様々な菌が生育しはじめます。その中には乳酸菌や酵母といったぬか床にとっての有益な菌はもちろんのこと、グラム陰性菌などの雑菌も少なくありません。

ぬか床の微生物叢はpHの低下に伴って変化していきます。

はじめは生育スピードの早い乳酸球菌や雑菌が生育しますが、雑菌は乳酸球菌の産生する乳酸により(pHが下がることにより)死滅していきます。さらにpHが下がってくると乳酸球菌もゆっくりと死滅していき、より乳酸に強い乳酸桿菌が増えていきます。

この頃にはpH4.5程度になりますので、安心して野菜を漬けることができます。

おすすめの野菜は?

おすすめの捨て漬け野菜は好みによります。

捨て漬け野菜の目的は「野菜に付着している微生物をぬか床の移すこと」「野菜のうま味や風味をぬか床の移すこと」などにあります。新鮮で多種多様な野菜を使って捨て漬けをすることによりぬか床は格段に美味しくなります。

基本はキャベツの外葉や大根の皮などのくせのない野菜ですが、ジャガイモやニンジンなどを面取りした際に出るくずなどを入れてもOKです。散らばってしまうために取り出しにくくはなりますが、入れたままでも問題はありません。

入手しやすい野菜は季節により変化しますので、旬の美味しい野菜を使ってください。

美味しくなる理由は?

ぬか床は捨て漬けにより美味しくなります。

ぬか漬けとは、ぬか床の塩分と微生物の働きにより「野菜組織がしんなりする」「酵素の作用(自己分解)により風味成分が形成される」「発酵風味が付与される」などの物理的、化学的、生物学的な変化を起こしたものです。

以下のような変化が起こります。

食塩細胞の生活作用が停止する
塩味が付与される
自己分解により漬け物特有の風味が生成される
微生物乳酸、酢酸、エタノールなどを生成する
発酵風味が付与される

ポイントとなるのが微生物です。

ぬか床には乳酸菌や酵母などをはじめとした多種多様な微生物が生育しています。微生物の種類や働きはとても複雑であり、同じ種類に分類されている微生物であっても異なる風味を生み出すことも珍しくありません。

また、ぬか床は「使うこと」が大切です。

使用頻度の低すぎるぬか床からは「吐き古した靴下の臭い(無性香)」や「ひねた臭い(劣化臭)」が生じやすくなりますが、使う(野菜を漬ける)ことにより乳酸菌や酵母が元気になり果実香の漂う美味しいぬか漬けになります。

熟成したぬか床であっても使用頻度の低くなる季節には捨て漬けを活用します。

まとめ・ぬか床の捨て漬けとは?

ぬか床の捨て漬けとは「食べない野菜を漬けること」です。

一般的には野菜くず(キャベツの外葉や大根の皮など)が利用されます。捨て漬けには「微生物(乳酸菌や酵母など)をぬか床に移す」「発酵が促される」「ぬか床に野菜の風味が加わる」などのメリットがあります。

美味しいぬか漬けを漬けるには美味しいぬか床を作る必要があります。

※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。