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こんにちは、めしラボです。
ぬか漬けを美味しくするにはぬか床を美味しくしなければいけません。そのためには「適切な手入れによってぬか床内に生育している微生物のバランスをよくする」「うま味のもとになる食材を利用する」などの手段がとられます。
ぬか床の管理は仕組みを理解した上で行うことがポイントになります。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床に干し椎茸を入れようと思っている。
- ぬか漬け(ぬか床)にうま味が足りないような気がしている。
- ぬか床が水っぽくなってしまう。
干し椎茸は出汁を取ってから加えることがあります。
ぬか床に加える定番のうま味材料には干し椎茸があります。多くのレシピではそのまま加えることが推奨されていますが、干し椎茸のうま味を最大限に活かしたい場合には出汁を取ってから加えることがポイントになります。
これは干し椎茸のうま味が加熱により作られやすくなるためです。
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ぬか床に干し椎茸を入れる目的は?
干し椎茸には2種類の目的があります。
ぬか床に干し椎茸を加えるメリットには「うま味(グルタミン酸、グアニル酸)が加わる」「過剰な水分が吸収される」などがあります。また椎茸特有の香りが付与されることからも定番のぬか床材料として広く親しまれています。
もちろんぬか漬けとして食べることもできます。
うま味 | グルタミン酸、グアニル酸 |
---|---|
水分管理 | 吸水 |
干し椎茸には2種類のうま味が含まれています。
それがグルタミン酸とグアニル酸です。干し椎茸のうま味と言えばグアニル酸(150mg/100g)が有名ですがグルタミン酸(1060mg/100g)も豊富に含まれていることからもぬか床のうま味を強くしたい場合には重宝されています。
椎茸の風味が苦手でなければおすすめできる食材です。
干し椎茸の出汁を取る方法は?
干し椎茸は出汁を取ってから加えることがあります。
ぬか床への干し椎茸の加え方には「そのまま加える方法」と「出汁を取ってから加える方法」がありますが、うま味が目的である場合には出汁を取ってから加えることをおすすめします。これは干し椎茸は温度によりうま味(グアニル酸)の強さが変化するためです。
以下は具体的な出汁の取り方です。
さっと洗って分量外の水に15分ほど浸しておきます
水を捨てて出汁を採る水に浸して一晩おいておきます
+4℃/minくらいのペースで80℃まで上げていきます
粗熱が取れてから新鮮な米ぬかと合わせます
干し椎茸はグルタミン酸とグアニル酸が豊富です。
しかし干し椎茸のグアニル酸には「核酸がヌクレアーゼ(酵素)によって分解されて作られる」という特徴があります。またうま味成分を分解してしまうホスファターゼ(酵素)との兼ね合いがあることからも「ゆっくり80℃まで温度を上げていく」ことがポイントになります。
これによってうま味(グアニル酸)の強い出汁が抽出されます。
ぬか床はだし汁で作る?
これからぬか床を作る場合にはだし汁で作ることをおすすめします。
一般的なぬか床のレシピでは「米ぬか、食塩、水を混ぜ合わせてから唐辛子、昆布、干し椎茸などを加える」と書かれていることが多いかと思いますが、最初の水を昆布と干し椎茸のだし汁にすることによりうま味と風味の強いぬか床になります。
好みはありますが椎茸の香りが苦手でなければおすすめできます。
ぬか床に使用するだし汁には鰹節や煮干しなどの動物性たんぱく質を加えてはいけません。動物性たんぱく質を加えてしまうとpHがアルカリ性に傾きやすくなることによりぬか床が腐りやすくなりますので注意が必要です。
立ち上げ時のぬか床への動物性たんぱく質は厳禁です。
まとめ・ぬか床に干し椎茸を入れる目的は?
ぬか床には干し椎茸を加えることがあります。
干し椎茸を加えることによって「うま味(グルタミン酸、グアニル酸)が加わる」「椎茸の風味が加わる」「水分管理に役立つ」などのメリットが得られるためです。またぬか床の立ち上げ時の水分を昆布と干し椎茸のだし汁にすることによってそのまま加えるよりも強いうま味を得られることができます。
このことからも、これから立ち上げる場合にはだし汁にしてから加えることをおすすめします。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。