ぬか床が発酵しない?

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こんにちは、めしラボです。

ぬか漬けはぬか床に野菜を漬けて作ります。ぬか床は米ぬかを乳酸発酵させて作られる発酵床ですので、ぬか漬けには「乳酸発酵による爽やかな酸味」や「米ぬかが分解されることによるうま味」などが加わることになります。

美味しいぬか漬けにはぬか床の発酵状態をコントロールする必要があります。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ぬか漬けが美味しくならない。
  • ぬか床の発酵が遅い気がする。
  • 野菜の漬かりが悪く美味しくない。

ぬか漬けはぬか床の発酵により美味しく漬かるようになります。

ぬか床の発酵とは米ぬかに有益な微生物(乳酸菌や酵母など)が住み着いて活動することです。発酵していないぬか床で漬けられたぬか漬けは「うま味がない」「しょっぱいだけで美味しくない」「漬かりにくい」などの問題が生じやすくなります。

ぬか漬けが美味しくない場合にはぬか床の発酵不足を疑う必要があります。

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ぬか床を発酵させるには?

発酵しない原因の多くは「捨て漬け野菜が少なすぎる」ことにあります。

立ち上げたばかりのぬか床には微生物が生育していません。そこで捨て漬け野菜(野菜くずや果物の皮など)を漬けこむことにより、捨て漬け野菜に付着している微生物(乳酸菌や酵母など)をぬか床に移していきます。

当然、捨て漬け野菜が少なすぎれば発酵は遅れます。

また、乳酸菌を積極的に増やすためには空気(酸素)を遮断する必要がありますので、初期のぬか床では天地返しの頻度(かき混ぜる頻度)を少なくして様子を見ることになります。はじめからかき混ぜすぎてしまうと乳酸菌が増えにくくなります。

ぬか床が発酵しない場合には、「捨て漬け野菜を増やす」ことと「天地返しの頻度を減らす」ことがポイントになります。

発酵に適した温度は?

ぬか床の発酵温度は20~25℃が適温です。

ぬか床に生育する主要な微生物である乳酸菌には「乳酸発酵をする」「20℃以上を好む」「生育スピードが速い」という特徴があり、酵母には「アルコール発酵をする」「10℃以上を好む」「生育スピードが遅い」という特徴があります。

そのため、室温が20℃前後になる春と秋がぬか床を始めやすい季節となります。

ぬか床を立ち上げると、はじめは乳酸菌が増えることで(乳酸による)酸味が増していきます。そして次第に酵母が増えることでアルコール臭が強くなります。この段階になると有機酸とアルコールがエステル化することによる果実臭が生じます。

ここまで発酵が進むと美味しく漬かるようになりますが、室温の低い時期に始めてしまうと「(発酵スピードがあまりにも遅いために)ぬか床が発酵しない」と感じられることがあります。

ぬか床は過ごしやすい季節に始めることをおすすめします。

発酵を阻害する食材は?

高すぎる塩分濃度やスパイス類は発酵を阻害します。

ぬか床を発酵させるということは「有益な微生物を増やしていく」ことです。ぬか床に生育する微生物には耐塩性がありますので6~8%ほどにすることにより腐敗菌を防ぎつつ有益な微生物を増やしていくことが可能になります。

しかし、いくら耐塩性があるとはいっても高すぎる塩分濃度は発酵(有益な微生物の増殖)を阻害することになりますので注意が必要です。

季節塩分濃度置き場所
春・秋
(室温20℃前後)
6%前後で管理する。手入れをしやすい場所

(室温25℃以上)
高めに管理して微生物を抑制する。涼しい場所

(室温15℃以下)
低めに管理して微生物の活性を促す。暖かい場所(もしくは低温で冬眠させる)

塩分濃度は6~8%を基準としながらも季節により変動させます。

また、ぬか床に生育する微生物は生き物ですので、抗菌性のあるハーブやスパイス(精油成分)には反応してしまいます。熟成が不十分(発酵していない)なぬか床に多くのハーブやスパイスを加えてしまうと発酵が阻害されてしまうこともあります。

これらのことからも、塩とスパイス類(柑橘類やからしなど)の加えすぎには注意が必要です。

まとめ・ぬか床が発酵しない?

ぬか漬けはぬか床の発酵(熟成)により美味しく漬かるようになります。

ぬか床の発酵とは有益な微生物(乳酸菌や酵母など)が増えることにより芳醇な香味を生み出している状態ですので、有益な微生物が増えやすい環境づくりをしていくことがポイントになります。

具体的には「捨て漬け野菜を増やす」「天地返しの頻度を減らす」「20℃前後で管理する」「塩分過多やスパイスの入れすぎに注意する」などです。

※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。