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こんにちは、めしラボです。
雪平鍋はとても役立つ片手鍋です。鍋底に丸みがあることにより(お湯が早く沸きやすく)食材の下ごしらえなどが効率よく行えますし、熱伝導率に優れているために(加熱ムラができにくく)焦げやすいソースなどの仕上がりが良くなります。
和食を中心とした家庭料理には欠かすことのできない鍋です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 雪平鍋の購入を考えている。
- 雪平鍋の素材に悩んでいる。
- 雪平鍋の特徴を知りたい。
雪平鍋は素材による違いがあります。
たとえばアルミニウムには「安くて熱伝導率に優れている」という特徴があり、ステンレスには「耐食性に優れている」という特徴があり、銅には「熱伝導率に優れていて熱容量が大きい」という特徴があります。
これらの特徴の違いにより素材による得手不得手が生まれることになります。
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熱伝導率の違いは?
熱伝導率に優れているのは銅鍋とアルミ鍋です。
熱伝導率は「熱の伝えやすさ」です。熱伝導率の値が高いほどに「鍋が均一に温まる」「食材が焦げにくい」などのメリットが得られます。そのために焦がしたくない料理(カスタードクリームなど)には銅鍋やアルミ鍋が用いられます。
以下は熱伝導率の数値です。
熱伝導率 W/(m・K) | |
---|---|
銅 | 398 |
アルミニウム | 237 |
ステンレス | 27 |
熱伝導率の値がすべてではありません。
鍋の特徴は厚みや形状にも影響されますので、厚手であるほどに「鍋の熱ムラができにくくなるために焦げにくい」「食材に柔らかく熱が入るために食材への熱ムラができにくい」などのメリットが得られます。
このことからも材質と形状のトータルバランスで比較する必要があります。
熱容量の違いは?
熱容量の大きさは重さに比例します。
熱容量とは鍋が蓄えることのできる熱エネルギー量です。保温力とも言い換えることができ「比熱×質量」で求められます。このことからも重い鍋ほど熱容量が大きい(保温力が高い)ということになります。
以下は比熱と密度の数値です。
比熱 kJ/(kg・K) | 密度 g/cm3 | |
---|---|---|
銅 | 0.39 | 8.96 |
アルミニウム | 0.91 | 2.7 |
ステンレス | 0.46 | 7.9 |
熱容量は重さに比例します。
鍋の形状が同じであると仮定(体積を1と仮定)した場合、各素材での熱容量は「銅鍋:約3.49kJ/K」「アルミ鍋:約2.46 kJ/K」「ステンレス鍋:約3.63 kJ/K」となります。アルミ鍋が著しく劣っているように感じられるはずです。
しかし熱容量は「比熱×質量」ですので板厚(体積)が大きくなれば熱容量も大きくなりますので必ずしも「銅鍋やステンレス鍋と比較してアルミ鍋は熱容量が小さくなる」とは限りません。
アルミであっても厚板鍋を選ぶことで熱容量は高くなります。
耐食性の違いは?
耐食性に優れているのはステンレス鍋です。
ステンレスは鉄(Fe)とクロム(Cr)やニッケル(Ni)との合金です。クロムには「鉄よりも酸素と結びつきやすい」という特徴があるために鉄が酸化するよりも先にクロムが酸化して酸化皮膜(不動態皮膜)を形成します。
そのために耐食性に強くなります。
銅鍋 | 酸や塩に弱く緑青(ろくしょう)が発生しやすい |
---|---|
アルミ鍋 | 酸やアルカリ、塩に弱い |
ステンレス鍋 | 耐食性に優れている |
このことからも素材で用途が制限されます。
たとえば銅鍋やアルミ鍋でジャム(pH2.7~3.5)を作ればイオン化により金属臭のするジャムになってしまいますし、食材を入れたままで保存することはできません。またアルミ鍋はゆで卵やこんにゃくなどのアルカリ性によっても変色します。
調理道具には素材による得手不得手があります。
おすすめの雪平鍋の素材は?
個人的にはアルミ鍋をおすすめします。
雪平鍋には素材による得手不得手があります。たとえば理想は銅鍋ではありますが銅には「非常に高価」「酸や塩に弱い」「手入れに手間がかかる」などのデメリットがありますし、ステンレス鍋には「熱ムラができやすい」などのデメリットがあります。
以下のようなイメージです。
熱伝導率 | 耐食性 | 価格 | |
---|---|---|---|
銅鍋 | ◎ | △ | × |
アルミ板製鍋 | 〇 | △ | ◎ |
ステンレス鍋 | × | ◎ | △ |
アルミ鍋にデメリットがないわけではありません。
しかしアルミには「銅やステンレスと比べて安価」「熱伝導率が銅並みに良い」などのメリットがありますし、熱容量に関しても厚手のものを選ぶことで銅やステンレスと比べてもそん色のない効果を生み出すことができます。
このことからも個人的にはアルミの雪平鍋をおすすめしたいと思います。
まとめ・雪平鍋の素材による違いは?
雪平鍋には素材による得手不得手があります。
アルミニウムには「熱伝導率に優れている」「比較的安価」「耐食性に難がある」という特徴があり、ステンレスには「耐食性に優れている」「熱伝導率が良くない」という特徴があり、銅には「熱伝導率に優れている」「熱容量が大きい」「高価」という特徴があります。
基本的には厚手のアルミニウムをおすすめしています。
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和の職人 深型ゆきひら鍋 18cm(谷口金属工業)
- 材質:
- アルミニウム(アルマイト)
- 板厚:
- 2.2mm
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- 0.44kg
標準的な雪平鍋です。
アルマイト加工が施されているので変色しにくく耐食性に優れています。アルマイト加工は長期の使用により傷んできますが、それ以降はボンスターで磨くなどして一般的なアルミ鍋のように使用できます。交換用のハンドルもラインナップされているので安心です。
管理人のレビュー
10年近く使用していますが不満はありません。「蓋を使えない」「料理を入れたままにできない」などを欠点としてあげる方もいますが、これらはこの製品の問題ではなくアルミの雪平鍋全般に言えることですので欠点だとは思っていません。
業務用 TKG 雪平鍋 18cm(遠藤商事)
- 材質:
- アルミニウム
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- 2.6mm
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- 530g
ステンレスのハンドルの付いた雪平鍋です。
多くの雪平鍋はハンドルが木製です。そのため「炒め物や揚げ物などによりハンドルが傷む(低温炭化してしまう)ことがある」などの問題がありますが、ハンドルがステンレスであれば気兼ねなく使用することができます。
管理人のレビュー
次に買い替えるとすればこのタイプだと考えています。雪平鍋は食材の下ごしらえに利用されることの多い鍋ですが、きんぴらなどのようなちょっとした炒め物にも重宝されます。標準的な雪平鍋よりもかなりの厚板(t2.6)ですので、料理の仕上がりの面でも期待できます。
DON矢床鍋 18cm(アカオアルミ)
- 材質:
- アルミニウム
- 板厚:
- 3.0mm
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やっとこ鍋はハンドルのない雪平鍋です。
ハンドルがないことにより炒め物や揚げ物をしても木製ハンドルの低温炭化を心配する必要はありませんし、注ぎ口もないために蓋がきれいにはまります。また比較的安価に厚板(t3.0)のメリットを享受することができます。
管理人のレビュー
一般家庭では馴染みのないやっとこ鍋ですが、ハンドルがないことにより「3口コンロをフルに使っても邪魔になりにくい」「洗いやすいので清潔に管理できる」「重ねて収納することができる」などのメリットがあります。個人的には高頻度で使用しています。
厚手サワラ木蓋 15cm用(雅うるし工芸)
- 材質:
- サワラ材
- 厚さ:
- 約15mm
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- 125g
サワラ材の落し蓋です。
木の落し蓋には「煮汁がまわるので味ムラができにくくなる」「食材を押さえつけることで煮崩れしにくくなる」などの効果があります。サワラ材には「吸湿性と放湿性に優れていて水分による変形が少ない」という性質があります。
管理人のレビュー
家庭での落し蓋には紙蓋を利用される方が多いですが、木の落し蓋のような重さがないために食材が踊って煮崩れしてしまうことがあります。各サイズをそろえる必要があるというデメリットはあるものの、そろえる価値はあります。
業務用 ヤットコ鋏 ステンレス(遠藤商事)
- 材質:
- ステンレス
- 長さ:
- 229mm
- 重量:
- 約254 g
ステンレスのやっとこ鋏です。
やっとこ鋏はやっとこ鍋をつかむための道具ですが、その他にも「食材を入れたザルをつかんで湯通しをする」「オーブンや魚焼きグリルからグリルプレートの出し入れをする」などにも使えます。また雪平鍋のハンドルが傷んだ場合にもおすすめできます。
管理人のレビュー
やっとこ鋏には鉄製とステンレス製がありますが、特別な理由がなければステンレス製のものをおすすめします。使用頻度が高く水に濡れることの多いやっとこ鋏は、手入れを怠るとすぐにサビてしまいます。
ガラス蓋 18cm(和平フレイズ)
- 材質:
- 強化ガラス
- 厚さ:
- 全面物理強化ガラス4.0mm
- 重さ:
- 0.35kg
一般的なガラス蓋です。
多くの雪平鍋には蓋を使えません。使える場合であってもハンドルの取り付け部分と注ぎ口部分に隙間が空いてしまいます。しかしやっとこ鍋の場合には一般的なガラス蓋を使用できますので、調理により使い分けられると便利です。
管理人のレビュー
アルミの雪平鍋には料理を入れたままにすることができません。しかし少量の蒸し物や保温をしたい場合にはガラス蓋があると便利なこともあります。このことからもやっとこ鍋を利用している場合にはガラス蓋があると料理の幅が広がります。