カラメルソースが固まる?

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こんにちは、めしラボです。

お菓子にはカラメルソースを使うことがあります。カラメルソースは砂糖をカラメル化させたものですが、水分量により粘度が変化するために「プリンのカラメルが固まらずに混ざり合ってしまう」「ストック用のカラメルソースが固まってしまう」などの問題が生じてしまうこともあります。

カラメルソースは目的に応じた粘度である必要があります。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • カラメルソースが固まってしまう仕組みは?
  • カラメルソースの粘度をコントロールする方法は?
  • 温度(水分率)による状態の変化は?

カラメルソースは水分量により状態が変化します。

一般的なカラメルソースは170~190℃まで加熱して作られます。これはカラメル化による独特な芳香を有する褐色物質の生成には160℃以上の温度が欠かせないためです。この時点での水分量は2%を下回っています。

そのため、カラメルをソース状にするには水分を加えなければいけません。

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水分量による違いは?

カラメルソースを煮詰める
カラメルソースを煮詰める
プリン型の底で固まる
プリン型の底で固まる

カラメルは水分量により冷却時の物性が変わります。

たとえばカラメルソースをシロップ状にするには17%程度の水分が必要です。それ以下になると「糸状に粘るようになる(16%)→軟らかい球状に固まるようになる(13%)→硬い球状に固まるようになる(5%)」などのように変化していきます。

それ以下になるともろく割れるほどの硬さになります。

温度
(水分比率)
煮詰め液の状態冷却時の状態
100℃
(17%)
細かい泡の沸騰シロップ状
105℃底からの大小の丸い泡非常に濃いシロップ状
110℃
(16%)
全体に丸みを帯びた泡糸状に粘る
120~130℃
(10%)
泡に粘りがでる球状に固まる
140℃
5%以下
粘りが強くなるすぐに固まりもろくなる

このことからもカラメルの硬さは水分で調節します。

カラメルをシロップとして使いたい場合には17%以上の水分が必要になりますし、プリン型の底に敷く場合には13%以下にしてカラメルソースが卵液に散ってしまうことのない硬さにしなければいけません。

煮詰め温度は前者で100℃、後者で115℃以上となります。

カラメルソースの濃度を調節するには?

カラメルソースの濃度を調節するには?

カラメルソースは煮詰めながら調節します。

カラメルは最後に水(お湯)を加えてのばしますが水の量はカラメルの温度や鍋の素材(熱伝導率や熱容量など)により変化しますので、基本的には「少し多めの水を加えてから煮詰めながら微調節をする」ことになります。

そこで役立つのがコップテストです。

水に落とした時の状態
シロップ状すぐに溶け合う
プリン型に敷くカラメル柔らかく球状に固まる
タブレット状球状に固まる

コップテストで濃度を確認できます。

すぐに溶け合ってしまう濃度であれば冷却時にシロップ状になるということですし、軟らかく球状に固まる濃度であればプリン型の底に敷くカラメルソースとして使えます。タブレットを作る場合には硬い球状に固まる濃度まで煮詰めていきます。

慣れてくると目視で判断できるようになります。

【補足説明】煮詰め液の状態で判断する場合には、細かな泡の沸騰(100℃)がシロップ状、泡に粘りがでてくる直前のタイミング(約113~115℃)がプリン用のカラメルソース、それ以上に煮詰めるとカラメルタブレットを作れます。タブレットは煮詰めるほどに硬くなりますので用途や保存方法に応じてコントロールします。

まとめ・カラメルソースが固まる?

カラメルソースの固さは水分比率に影響されます。

カラメルソースを作るためには砂糖を150℃以上に熱する必要があります。その場合、ソースの水分比率は5%以下まで下がりますので、好みの色合いになったタイミングで水分を加えることで固さ(濃度)を微調整します。

カラメルソースは水分比率16%で糸状に粘るようになり13%で軟らかく固まるようになります。そのためにシロップ状にして使いたい場合には水分比率を16%以上にする必要があり、プリンの底に敷くには13%以下、カラメルタブレットにする場合には11%以下になるようにします。

カラメルソースの硬さは何度でも微調整が利きますので失敗を恐れずに試してみることをおすすめします。