ローズマリーの増やし方は?

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こんにちは、めしラボです。

調理のためにローズマリーを育てている家庭では「収穫しすぎて株を弱らせてしまう」ことがあります。もちろんローズマリーの生育に適した環境にお住いの場合は利用しきれないほどに収穫できてしまうこともありますが、少なくとも寒冷地の我が家では(私の食害により)弱ってしまうことがあります。

ローズマリーは簡単に増やせますので、調理によく使うのであれば増やしておくことをおすすめします。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ローズマリーの増やし方を知りたい。
  • ローズマリーの挿し木のポイントは?
  • 種まきではなく挿し木をおすすめする理由は?

ローズマリーは種まきと挿し木で増やせます。

基本的には挿し木で増やすことをおすすめします。ローズマリーは挿し木で増やしやすい植物ですし、ローズマリーの種は発芽率が良くありません。また実生木は生命力が強い反面、異株が発生する場合もあります。

キッチンハーブや家庭菜園の規模であれば、挿し木で増やすのが現実的です。

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挿し木の適期と用意するものは?

ローズマリーの挿し木は春と秋に行えます。

気候的には「長袖のTシャツ1枚でも快適に過ごせるくらいの季節」が適期になります。秋にも挿し木をすることはできますが、その後の管理(冬越しなど)を考慮すると春先に挿し木をして冬越しの季節までには株を充実させておくことをおすすめします。

必要な道具は以下の通りです。

  • 挿し穂をつくるための芽切狭やカッターナイフなど
  • 肥料分のない清潔な土(赤玉土など)
  • 発根剤や活力剤など(なくてもOK)

ちなみにルートンとメネデールは仕組みが違います。

ルートンは植物ホルモン(オーキシン)により発根を促しますが、メネデールは鉄イオンなどの働きにより発根を促します。挿し木に関しては、ルートンは挿し穂の切り口に付けて使用するのに対してメネデールは水揚げ時の水に溶かして使います。

使わなくても挿し木はできますが、使った方が成功の確率は高まります。場合によってはメネデールで水揚げをしてからルートンを付けてから土に差し込むなどのように併用することもあります。(※発根率の高いローズマリーにはなくても大丈夫です)

挿し木の手順は?

ローズマリーの挿し木はシンプルです。

挿し穂を作って水に浸しておくだけでも発根しますし、濡れた土に挿しておくだけでも発根します。丁寧に行う場合は「挿し穂を作る→水揚げする→清潔な土に挿す→半日陰で管理する→発根したら肥料分のある土に植え替える」といった手順になります。

季節さえ間違えなければ高い確率で成功します。

  1. 挿し穂を作り1時間ほど水に浸して水揚げさせます。挿し穂の作り方は「木質化していない(病害虫の被害のない)枝を10cmほど切り取る→枝の下半分くらいの葉を落とす」です。切り口はよく切れるナイフで切り返し(または斜め切り)にしておきます。

    step.1

  2. 赤玉土を小さなポットやジフィーポットなどに入れて湿らせておきます。6cmほどの小さなプラポットやジフィーポットがおすすめです。1本ずつ管理することにより植え替え時の根へのダメージを最小限にとどめることができます。

    step.2

  3. 割りばしなどで用土に穴をあけてから挿し穂を差し込みます。そのまま差したのでは挿し穂が傷みますので、あらかじめ挿し床(プラポットやジフィーポットの土)に穴をあけてから周りを押さえるようにして固定します。

    step.3

  4. 半日陰において乾かないように注意をしながら管理します。切り口から吸収できる水分は根からの吸収に比べてとても少なくなります。発根までの間に葉をしおれさせないためにも半日陰の強い風の当たらない場所で管理します。

    step.4

2~3週間ほどで発根します。

発根すると先端の新芽が伸びてきます。発根できなかった場合は挿し穂がしおれてきますので分かりやすいかと思います。1カ月ほどで発根しないこともありますが、挿し穂がしおれてこなければ発根する可能性はあります。

気長に管理を続けてください。

発根させるためのポイントは?

挿し木をしたら乾かさないように管理します。

挿し穂には根がありませんので吸水量が少なくなります。日向で管理してしまうと蒸散量が大きくなるために挿し穂がしおれて枯れてしまいます。そのため「強い風の当たらない半日陰(明るめの日陰)で管理すること」がポイントになります。

半日陰がない場合は寒冷紗(遮光率30~50%)を張ります。

水やり表面が乾いてきたらたっぷり
置き場所半日陰
管理期間2~3週間以上

水に浸けっぱなしにするのはおすすめしません。

乾燥を防ぐために「挿し木した鉢ごと水に浸けておけばいいのでは?」と思うかもしれませんが、常に多量の水がある環境で発根した根には根毛(根の表皮細胞が外側に管状に伸びたもの)ができにくく水や栄養の吸収効率が著しく悪くなります。

根毛のある根を発根させるためには適度な乾湿が交互に訪れる必要があります。

発根した挿し穂の肥料と鉢上げは?

2~3週間ほどで発根します。

発根するとさし穂の芽(頂芽やわき芽など)が伸びてきます。また鉢底の穴から根が見えることもあります。ここまでくれば挿し木には成功していますので、挿し木をしたポットよりも一回り大きな鉢に植え替えます。(※鉢上げが遅れる場合には液体肥料を与えておきます)

挿し床で発根させた場合には小さめの鉢に鉢上げします。

  1. 発根すると芽が伸びはじめる

  2. 養分のある土に植え替える

  3. しばらくは半日陰で管理する

  4. 徐々に日光に慣らしていく

鉢上げ後の管理は植え替え後の管理方法と同じです。

すぐに強い直射日光に当ててしまうと環境の変化に対応できずに弱ってしまいますので、「しばらくは強い風の当たらない半日陰において徐々に慣らしていくこと」と「水やりは表面が乾いてからたっぷりと与えること」がポイントになります。

ローズマリーは株の充実に伴い強健になっていきます。

まとめ・ローズマリーの増やし方は?

ローズマリーは挿し木で増やせます。

挿し木とは木の枝を土に挿して発根・発芽させることにより、新しい株を作ることです。挿し穂(枝を一定の長さに切ったもの)を養分のない清潔な土に差し込み、2~3週間ほど日陰で管理をすることにより発根して苗になります。

発根が確認できましたら、養分のある土に植え替えます。