ローズマリーが育たない?

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こんにちは、めしラボです。

ローズマリーは生育旺盛な植物です。常緑小低木に分類されている植物であることからも(立性品種であれば)1~2mほどまで成長します。しかし自宅で(特に鉢植えで)育てている場合には「なかなか大きくならない」と悩むことも珍しくはありません。

大きくならない原因を知ることが大切です。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ローズマリーが大きくならない。
  • 料理に使いたいのに収穫できない。
  • 収穫すると丸坊主になってしまう。

ローズマリーの本格的な成長は2年目からです。

料理に使うために苗を購入してきた場合、たとえ成長の適期である春先に購入してきたとしても、本格的な成長が始まるのは2年目の春からです。ローズマリーを大きくしたい場合には1年目は収穫せずに株を充実させることがポイントになります。

もちろん樹形を整えるための剪定を兼ねた収穫であれば問題はありません。

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一年目のローズマリーが成長しにくい理由は?

多くの植物は環境の変化を嫌います。

ホームセンターなどで販売されているローズマリーの苗は、温室や薬剤などを使って育てられています。そのような苗を家庭で育てるのですから、「元気がなくなる」「樹形が乱れていく」などの変化は多かれ少なかれ現れてきます。

しかし植物は環境の変化に適応しようとします。

環境の変化に適応する反応のことを順化と言います。ローズマリーは順化することによりスクスクと成長していくことになります。順化には一年ほどの期間を要しますので、春先に購入したローズマリーの苗が本格的に大きくなり始めるのは翌年の春からとなります。

一年目のローズマリーが大きくならないのは(ある程度は)仕方のないことです。

ローズマリーの生育条件は満たせているか?

植物には生育条件があります。

ローズマリーでいえば「日当たりと風通しの良い場所」「水はけがよく石灰質のやせた土」などです。日当たりが悪ければ節間の伸びた(徒長した)樹形になりますし、風通しが悪ければ病害虫のリスク、水はけが悪ければ根腐れのリスクが高くなります。

ローズマリーは過湿を嫌う植物です。

ローズマリーの減産は地中海沿岸の乾燥した地域ですので、日本の多湿は(どちらかと言えば)苦手としています。そのため水はけのよい土に植えて乾燥気味に管理することがローズマリーを弱らせないためのポイントになります。

また蒸れを防ぐために真夏は半日陰などに移動させることもあります。

ローズマリーの日当たりは?

ローズマリーは日光を好む植物です。

半日陰(室内など)でも育てることはできますが、光が弱すぎると節間の伸びた徒長気味の樹形に育っていきます。また光のあたらない部分は木質化(木化)しやすくもなりますので、葉の利用目的で育てている場合には注意が必要です。

可能であれば光のあたる場所で管理します。

ローズマリーは光を好みますが蒸れは嫌います。

ベランダや軒下などで管理する場合には暑さ対策が必要になることもあります。たとえば床面が熱くなる場合にはすのこやマットなどを敷いて蓄熱や照り返しを防ぐようにしますし、あまりにも光が強すぎる場合には遮光して明るい日陰にするなどです。

蒸れさせてしまうと根が弱ります。

ローズマリーの育ちやすい季節は?

ローズマリーの生育適温は15~25℃です。

環境の良い場所(適度な日当たりや風通しのある場所)で管理されているローズマリーは、このくらいの温度になると樹勢を増していきます。1年目はそれほどでもありませんが、2~3年目には料理だけでは使いきれないほどに樹勢を増していきます。

このことからもローズマリーの生育適期は春と秋になります。

  1. 【春】芽吹きはじめる季節

  2. 【夏】高温多湿に耐える季節

  3. 【秋】樹勢を増していく季節

  4. 【冬】寒さに耐える季節

夏と冬の管理には注意が必要です。

ローズマリーは高温多湿を苦手としていますので、夏は蒸れさせないように「ベランダなどの床面が高温にならないように工夫する」「すかし剪定により風通しを良くしておく」などの管理が必要ですし、冬は低温と寒風から守るために「風よけをする」などの管理をします。

特に環境に順化していない一年目の管理には注意が必要です。

病害虫に侵されてはいないか?

ローズマリーは病害虫のリスクの少ない植物です。

しかしハダニやカイガラムシがつくことはありますし、多湿期や低温期に水が多い(土がなかなか乾かない)と腐敗菌や根腐れが発生することもあります。特に株の充実していない段階のローズマリーには病害虫のリスクが高くなります。

葉色がおかしい場合など(茶色や黒色に変色しているなど)には要注意です。

病気うどんこ病や灰色カビ病など
害虫吸汁性害虫(ハダニ、アブラムシ、コナジラミなど)
食害性害虫(ヨトウムシ、ベニフキノメイガなど)

病害虫には早めの対処が必要です。

早めに発見できれば管理方法の変更や少量の薬剤で対処できますが、放置してしまうと改善が困難になることもあります。「生育期なのに成長しない(大きくならない)」のには何らかの原因がありますのでよく観察して原因を突き止めることがポイントになります。

鉢植え植物は日常的によく観察することをおすすめします。

ちなみに・・・

薬剤に抵抗がある場合には「酢水」「や重曹水(または石灰水)」などを使います。酢水には活力剤のような働きがあるために病害虫を防ぐ(または病害虫に負けない)効果が望めますし、重曹水や石灰水にはアルカリ性を嫌う細菌性の病気を防ぐ効果が望めます。

植え替えの頻度は適切か?

ローズマリーは植え替えをしながら大きくしていきます。

ローズマリーには「植え替えの頻度を増やすと大きく成長しやすい」「植え替えの頻度を減らすと花が咲きやすい」という性質があります。そのためローズマリーを大きく成長させたい場合には成長に合わせて鉢上げをしていくことになります。

鉢上げは一回りから二回り大きな鉢に植え替えます。

植え替えをしないと根詰まりを起こすことにより「枝葉が出にくくなる」「葉が枯れこんでくる(特に下葉が落ちてくる)」「病害虫に負けやすくなる」などの問題が生じやすくなります。しかし極端に大きな鉢に植え替えてしまうと過湿により弱ってしまう可能性がありますので注意が必要です。

ローズマリーは多肥を好みませんので少量の緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。

ここに注意!

ローズマリーの用土には市販の培養土や「赤玉土5:腐葉土3:軽石2」などを使います。室内に入れない場合には牛ふん堆肥などを使うと樹勢が良くなりますが、虫を寄せ付けてしまう性質があるために室内管理をする予定の場合はおすすめしません。

まとめ・ローズマリーが大きくならない?

ローズマリーは大きく成長する植物です。

しかし環境に順化していない栽培一年目は思ったように成長してくれないことがありますし、地中海沿岸を原産とする植物であるために夏の高温多湿を苦手としています。このことからも「春と秋は成長する季節、夏と冬は耐える季節」となります。

いくつかのコツはありますが難しい植物ではありません。