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こんにちは、めしラボです。
米麹のレシピ(味噌や塩麹などのレシピ)には「生麹を想定しているレシピ」と「乾燥麹を想定しているレシピ」が存在します。生麹のレシピを乾燥麹で作ると水分不足になりますし、乾燥麹のレシピを生麹で作ると水分過多になります。
米麹のレシピを参考にする際には注意が必要です。
今回の記事は次のような人におすすめ!
- 生麹と乾燥麹の違いは?
- レシピの生麹と乾燥麹を置き換えるには?
- 生麹と乾燥麹を置き換える際の注意点は?
生麹と乾燥麹の違いは水分量です。
「生麹と乾燥麹とでは味が異なる」「生麹の方が優れている」という意見もありますが、基本的な麹(酵素)の働きに違いはありません。生麹の方が力価(酵素活性)の高い傾向にはありますが、保存性を考慮するとどちらにも一長一短があります。
置き換える方法を知っていると便利です。
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米麹の水分量は?
生麹と乾燥麹の違いは水分量です。
生麹には25~30%の水分が含まれており、乾燥麹には10%以下の水分が含まれています。多少の誤差はあるものの、生麹と乾燥麹の水分量には20%前後の誤差があるということになります。
この違いが保存性や力価(酵素活性)の違いにつながっています。
水分量 | 酵素活性 | 保存性 | 食感 | |
---|---|---|---|---|
生麹 | 25~30% | ◎ | × | ◎ |
乾燥麹 | 10%以下 | 〇 | ◎ | × |
水分量の違いは酵素活性と保存性に影響します。
生麹は乾燥させていないために酵素活性に優れていますが、乾燥麹は乾燥させているために酵素活性が下がっている可能性があります。しかし水分量は保存性に影響力があるために、生麹は保存できませんが乾燥麹は長期保存が可能です。
生麹と乾燥麹は使い分けることがポイントになります。
生麹と乾燥麹の味の違いは?
正確には生麹の方が優れています。
しかし現実的に考えた場合、「生麹か乾燥麹かの違い」よりも「良質な米麹を販売している店舗に出会えるか?」の方が味への影響力は大きくなります。生麹でも美味しくないものはありますし、乾燥麹でも美味しいものもあります。
また鮮度の問題もあります。
生麹はとても不安定な食材です。良い生麹を入手できたとしてもすぐに使わなければ「風味が変化する」「雑菌が混入しやすくなる」などのリスクがあります。生麹が優れているのは事実ですが、場合によっては乾燥麹の方が優れていることもあります。
このことからも生麹と乾燥麹の置き換え方を知っていると便利です。
米麹の力価(酵素活性)は時間や熱により低下します。しかし乾燥麹は水分濃度の低下により安定化しているので酵素活性の低下がゆるやかになっています。また乾燥麹を販売しているようなメーカーは町の麹屋よりも(良くも悪くも)品質が安定している傾向にあります。
生麹と乾燥麹の換算方法は?
生麹と乾燥麹を置き換えるには水分量の調節をします。
生麹の水分量は25~30%で、乾燥麹の水分量や10%以下です。多少の誤差はあるものの水分量の違いは約20%になります。このことからも「生麹を乾燥麹に置き換えるには25%の水分を足せばよい」ことになります。
反対に乾燥麹を生麹に置き換える場合には米麹の量を減らします。
- 生麹100g→乾燥麹100g+水25g(もしくは乾燥麹80g+水20g)
しかしあくまでも目安でしかありません。
生麹や乾燥麹という呼び名は俗称のようなものですので、明確な定義があるわけではありません。同じ麹店で購入したとしてもいつも同じ水分量や力価(酵素活性)だとは限りませんので、最終的には微調整が必要になります。
このことからも(米麹を使った料理は)レシピに固執することな柔軟に対応することが大切です。
まとめ・乾燥米麹の使い方は?
生麹と乾燥麹の違いは水分量です。
生麹と乾燥麹の水分量には約20%の違いがあります。そのため生麹は「力価(酵素活性)は高いが保存性に劣る」という特徴があり、乾燥麹には「力価に劣るが保存性に優れている」という特徴があります。一概にどちらが優れているとは言えません。
また米麹は麹店による品質差の大きな食材ですので注意が必要です。